「聞く」と「聴く」の違い ~「沈黙」の事例から~
銀座コーチングスクール(GCS)広報チーム 松本結花です。
部下との会話に、コーチングを取り入れようと学んでいる方から「部下の答えは、どれくらい待てばいいですか?」という質問がありました。
「聴く」の具体的方法の1つとして「沈黙する」というスキルがあります。
沈黙して、部下の話が出てくるのを待とうとしたからこそ出てきた質問でした。
「沈黙している時、相手の方はどんな様子でしたか?
相手が考えているようなら待ち(沈黙を続け)、沈黙に戸惑っているようなら何か声をかけた方がいいかもしれません」
と伝えたところ、ハッと、部下の様子を観ていなかったことに気づかれたようでした。
「沈黙する」はスキルの1つですが、その前提として「聴く」姿勢が求められます。
「聞く」とは、自然と耳に入ってくる音や言葉を受け取ること。
「聴く」とは、相手に意識を向け、相手に集中して耳を傾けること。相手に関心を持ち、相手を観て、心も集中させて聴きます。
相手を観察して、もし沈黙に戸惑っているようでしたら「今、何を考えていますか?」と尋ねてみたり、答えがまとまらないことに焦っているようでしたら「待っているから、じっくり考えていいですよ」と声をかけたりすることで、相手は対話や、自分との対話(内省)に集中することができます。
自分が耐えられないから話す(沈黙を破る)のではなく、
相手がどう感じているのかが基準だということですね。
個々のスキルだけではなく、相手に関心を持ち、目も心も集中させて聴くということを意識してみてください。