息子が不登校になったとき、母としてまず「自分を整える」と決めた話


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中学生の息子が、ある日を境に学校へ行けなくなりました。

いじめもなく、人間関係のトラブルもない「理由のはっきりしない不登校」。

親としてどう向き合えばいいのか分からず、悩み続ける中で、私が頼ったのは「コーチング」でした。

不登校の子どもに直接コーチングをするのではなく、まずは「親である自分を整える」。

そんな選択をした一人の母親の体験と、その後に出会った「コーチング無料体験講座」という入口についてお話しします。

理由の見えない不登校に、母として戸惑った日々

銀座コーチングスクール(GCS)広報チームの妻鹿由佳子(めが ゆかこ)です。


今、中学生の息子は不登校の状態にあります。
きっかけは、インフルエンザ等による学年閉鎖が続いたことでした。
休みのリズムがそのまま続くような形で、ある日ふっと、学校に足が向かなくなってしまったのです。
何がつらいのか、学校で何があったのか。

責めないことだけを心に決めて、そっと話を聴こうとしましたが、息子自身もはっきりした理由は分からない様子でした。

いじめがあるわけでもなく、友達や先生との関係も「別に悪くない」。
それなのに、どうしても学校には行けない。

「これだ」という原因が見えないことが、かえって私の不安と戸惑いをじわじわと大きくしていきました。

不登校の子どもに、あえてコーチングをしなかった理由

私はこれまで、コーチングを学び、仕事にも日常にも取り入れてきました。

だからこそ、息子が不登校になったとき、最初に頭をよぎったのは「コーチングで何とかできないだろうか」という思いでした。

けれど最終的に、私は息子に対してコーチングをすることを選びませんでした。

不登校の子どもは、「学校に行かなければいけないのに行けない自分」を、いちばんよく分かっています。

その状態で「理想の学校生活はどんな毎日?」「もし楽しく通えていたとしたら?」といった"未来のイメージ"を描くことは、本人にとってとても重たいテーマになります。
心も体も元気がないときに、明るい未来の姿を思い浮かべるのは、大人でも簡単ではありません。

ましてや、不登校の渦中にいる子どもにとっては、なおさらのことです。

そこで私は、「子どもを変えるためのコーチング」ではなく、「親である自分が整うためのコーチング」に目を向けることにしました。

息子にコーチングをするのではなく、親である私がコーチングを受ける側に回ることを選んだのです。

「子どものタイミングを待つ」ことは、想像以上に苦しい

不登校のお子さんと向き合っている方なら、きっと共感していただけると思いますが、「子どものタイミングを信じて待つ」というのは、言葉で言うほど簡単なことではありません。


このままで本当に大丈夫なのだろうか。
私の育て方や関わり方が悪かったのではないか。
もっとできることがあるのに、見逃しているのではないか。

そんな思いが頭の中をぐるぐると回り続け、心が落ち着く時間がなかなか持てませんでした。

自分を責めたり、ふとした瞬間にイライラしてしまったり、でもやっぱりこの子の味方でいたいと願ったり。

「一番つらいのは本人だ」と分かっているからこそ、親は弱音を吐きづらい。

けれど正直なところ、私ひとりの力でこの状況に向き合い続けるのは難しい、と感じるようになりました。

マイコーチに相談したのは、「不登校の子の親としてどう在りたいか」

そこで私は、いつもとは少し違うテーマを持ち込んで、マイコーチにセッションをお願いしました。

これまでは主に仕事や自分の目標について相談してきましたが、このときのテーマはひとつでした。

「不登校の子どもの親として、自分はどう在りたいか」

セッションの中で、コーチと対話を重ねながら、ゆっくりと言葉を探していきました。

息子の前で、どんな表情でいたいのか。
どんな空気をまとった存在でありたいのか。
本当は、どんなメッセージを息子に届けたいのか。

そして、手放してもいい不安や思い込みは何なのか。

「こうあるべき」という正しさにしがみついて、かえって自分を苦しめていたものは何なのか。

話しているうちに、「息子をどう変えるか」ではなく、「親である自分がどう在りたいか」に光を当てていく時間なのだと気づきました。
不思議なもので、そこが少しずつ定まっていくと、「では今の自分に、どんな関わり方ができるだろう」という具体的な一歩が、自然と見えてくるのです。

解決策を無理にひねり出すというより、「在り方」から行動がにじみ出てくるような感覚でした。

親が落ち着きを取り戻すと、子どもにも小さな変化が

セッションを重ねる中で、私はようやく「この子のペースを信じて、長い目で見守ろう」と腹をくくることができました。

それは劇的な変化ではなく、日々の小さな選択が少しずつ変わっていった、というほうが近いと思います。

無理に学校の話を引き出そうとしないでおこう。
「行けていない」という部分だけではなく、「今日できたこと」にもちゃんと目を向けてみよう。
不安や心配をそのまま子どもにぶつける前に、まずは自分の心の中で受け止めてみよう。

そんなふうに、少しずつ関わり方を変えていきました。

時間はかかりましたが、息子にも小さな変化が現れてきました。
家で教科書を開いてみるようになったり、家事を手伝ってくれることが増えたり。
「学校に行く・行かない」だけでは測れない、家の中での学びや役割を、少しずつ自分なりに見つけていったのです。

もちろん、前に進んだと思った翌日に、また後戻りしてしまうような日もあります。

それでも今は、「この子なりのペースで、ちゃんと前に進んでいる」と感じられる瞬間が、以前よりずっと多くなりました。

不登校の「親」として、まず自分を整えるという選択

もし今この記事を読んでくださっているあなたが、不登校のお子さんのことをひとりで抱え込んでおられるとしたら。

子どもの将来が心配で眠れなくなる夜があったり、自分の子育てを責めてしまったり、本当は味方でいたいのにきつい言葉が出てしまったり――そんな日々かもしれません。

そのなかで、あえてお伝えしたいことがあります。

「子どもをどうにかしなければ」と頑張り続ける前に、「親である自分を整える時間をとってもいい」ということです。

コーチングは、誰かを動かすためのテクニックではなく、自分自身の気持ちや受け止め方を整えていくための、やわらかな対話の場でもあります。
安心して本音を話せる場所があると、視野が少し広がり、時間の流れを長くとらえられるようになっていきます。

すると、「今この瞬間の結果」に振り回されすぎずに、親子の時間を見つめ直せるようになります。

私にとってコーチングは、そんな「土台を整えるための時間」になっています。

まずはコーチングの場を覗いてみたい方へ

ここまで読んでくださって、もし心のどこかで、「自分も一度、コーチングという場を体験してみたい」「不登校に限らず、子どもや家族との関わりを見直すきっかけがほしい」と感じておられるようでしたら、「コーチング無料体験講座」を覗いてみるのも、一つの方法かもしれません。

たった90分という短い時間ですが、その中にはコーチングの魅力がぎゅっと凝縮されています。

例えば、コーチとの対話を通じて、「あ、こういう感じなんだ」とコーチングの"楽しさ"や"気づき"をやさしく体験できます。
いつもの会話では見過ごしてしまいがちな、自分の話し方・聴き方のクセにふと気づくこともあります。

また、コーチングがうまく機能するために大切なポイントや、よくある誤解も、専門用語に頼りすぎずに説明してもらえるので、「コーチングって結局何なの?」というモヤモヤもだいぶクリアになってきます。

「明日から家族との会話で、こんなふうに聴いてみようかな」
「職場の1on1で、この質問を試してみようかな」
そんなふうに、すぐに日常に持ち帰れる"聴き方・質問のコツ"も、いくつか持ち帰っていただけるはずです。

何よりうれしいのは、安心・安全でゆったりした雰囲気の中で、「自分にもできそうだな」という前向きな感覚がふっと芽生えてくることです。

難しいことを詰め込むのではなく、コーチングのよさと本質が"ふわっと腑に落ちる"ような時間――そんなイメージに近いかもしれません。

いきなり本格的な学びを始める必要はありません。
「ちょっと話を聴いてみようかな」「雰囲気だけでも知ってみようかな」という気持ちで十分です。

おわりに

息子の不登校は、今も進行形のテーマです。 私自身も、ときに揺れながら、試行錯誤を続けています。

それでも、「不登校の子の親として、自分はどう在りたいのか」をコーチングを通じて問い続けてきたことは、たしかに私と家族の支えになっています。

この記事が、同じように悩んでおられるどなたかの心に、
「ひとりで抱え込まなくていいんだな」
「まずは自分を整えるところから始めてもいいんだな」
そんな小さな安心感として届けば、とても嬉しく思います。

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