コーチングを機能させる上で大切な「コーチングマインド」とは?

「質問の型は覚えたはずなのに、会話が深まらない」
「相手の答えを引き出したいのに、つい助言や結論に寄せてしまう」
コーチングを学び始めた方から、よく聞く声です。スキルそのものよりも、実はその土台にある"在り方"が影響していることがあります。
今回は、コーチングを本当に機能させるために欠かせない「コーチングマインド」についてお伝えします。
スキルがうまくいかないときに起きていること
銀座コーチングスクール(GCS)丸の内校代表 大石典史です。
先日、企業様でコーチング初級講座を担当しました。
限られた時間の中で概要や基本スキルをお伝えしていくと、学びは「分かったつもり」になりやすい一方で、実践になると急に難しく感じる方も少なくありません。
その理由はシンプルで、スキルが"道具"だとすると、マインドは"握り方"だからです。握り方が変わらないまま道具だけ増えても、思ったように使いこなせないことがあります。
だから私は、どんなに短い講座でも「コーチングマインド」だけは必ず触れるようにしています。
コーチングマインドとは
コーチングマインドとは、コーチングを機能させるためにコーチが持っておきたい心構えのことです。
端的に言えば、相手の可能性を信じること、答えは相手の中にあると見立てること、そして相手の味方として関わり続けること。
この3つがコーチの中で腹落ちしているかどうかで、同じ質問でも届き方が変わります。
この話は抽象的に聞こえるかもしれません。
けれども、コーチングの場では「相手が安心して話せる空気」をつくることが何より重要で、その空気をつくるのはスキル以上にマインドだからです。
マインドが整うと、会話の「空気」が変わる
たとえば1on1で、同じ「どう思う?」という質問を投げかける場面でも、心のどこかで「早く結論を出してほしい」と思いながら聴いていると、相手は微妙な圧を感じ取ります。
すると、無難な答えが返ってきて、会話は浅く終わりがちです。
一方で、「この人の中にまだ言葉になっていない答えがある」と信じて待てると、沈黙の質が変わります。
相手が考える時間が守られ、本音に近い言葉が出てきやすくなります。
コーチングマインドは、派手なテクニックではありません。
でも、対話の深さを決める"静かな差"をつくります。
抽象を具体にするコツは「事例」と「体感」
コーチングマインドは、説明を読んだだけだと掴みにくいテーマです。
スポーツの名コーチの関わり方を見て「ああ、こういうことか」と腑に落ちることがあるように、まずは具体例でイメージを持つのが近道です。
そして、もう一歩進めるなら「体感」です。
コーチングは対話によって相手を勇気づけ、気づきを引き出し、自発的な行動を促す関わり方で、助言や誘導とは違う----この違いは、体験すると理解が早くなります。
もし「一度、体感してみたい」と思った方へ
ここまで読んで、「コーチングマインドがある対話の雰囲気を、一度味わってみたい」と感じた方もいるかもしれません。そんな方の入口として、GCSでは"体験として理解する"ための場であるコーチング無料体験講座を用意しています。
短時間でも、コーチングの楽しさや気づきに触れたり、いつもの会話では見えにくい自分のクセに気づけたり、誤解がほどけていく設計になっています。
また、明日からの会話や1on1が少し楽しくなる聴き方・質問のコツ、学びの進め方の全体像、国際資格(ICF認定資格)までの道筋といった"先の見通し"も掴みやすくなります。ぜひ、お気軽にご参加ください。