相手を「認める」ことで、対話は変わる―コーチングの基本スキル「認める」

人が安心して話せる場があると、会話は深まり、行動や成長につながりやすくなります。
今回は、そうした「安心」の土台となるコーチングの基本スキル「認める」について、日常のコミュニケーションに活かせる形でお伝えします。
コーチングにおける「認める」とは?
コーチングにおける「認める」とは、相手の言葉に評価や判断を加えず、そのまま事実として受け止めることです。大切なのは、内容が客観的に正しいかどうかではなく、「相手が今そう感じ、そう話している」という事実を尊重することです。
たとえば相手が「どうせ自分なんて、うまくいかないと思うんです」と話したとき、私たちはつい「そんなことないよ」「もっと前向きに」と言いたくなります。
けれど、まずは「そう思っているんですね」「うまくいかないと感じているんだね」と受け止める。これが「認める」という関わり方です。
そのためには、自分の心をニュートラルに保つことが欠かせません。
自分の価値観や「こうあるべき」をいったん脇に置き、相手の世界をそのまま映す"鏡"になるイメージです。
「認める」ができると、会話はどう変わるのか
「認める」関わり方が増えると、会話の空気は少しずつ変わっていきます。相手は安心して話しやすくなり、本音や弱音も出てきやすくなります。
「分かってもらえた」という感覚は信頼関係を深め、結果として相手の中から自発的なアイデアや行動が生まれやすくなります。
一方で、こちらの正しさや価値観を早い段階でぶつけてしまうと、相手は身構えたり、心を閉ざしてしまうことがあります。
だからこそ、「まずは受け止める」→「必要があれば、その後で提案する」という順番が大切になります。
現場で活かすために大切なこと
「認める」は、知識として理解するだけでは、実践で安定しにくいスキルでもあります。会話の最中は、無意識に評価したくなったり、正解を示したくなったりするからです。
だからこそ、日常の中で小さく試すことが有効です。
相手の言葉を言い換えずにそのまま返す、結論を急がずに一呼吸おく――それだけでも、相手の表情や言葉の量が変わることがあります。
学びを一歩深めたい方へ
今回ご紹介した「認める」は、文章で読むよりも、実際の対話の中で体験すると理解が深まります。コーチング無料体験講座では、約90分の中でコーチングの雰囲気を体感しながら、聴き方や関わり方のポイントを整理していきます。
「認める」を実際の会話でどう使うのか、自分の聞き方のクセはどこにあるのか――そんな気づきが得られる方も多いようです。
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