「協働関係」って何?-コーチングが開く、新しいつながり方

「協働」と聞いて、どんなイメージが浮かぶでしょうか。
よく似た言葉に「共同」や「協同」がありますが、ここで取り上げたいのは「協"働"」。
ともに「働く」という字をあてる、この「協働」です。
同じ職場にいて、同じプロジェクトに関わっていたとしても、必ずしもそこに協働関係があるとは限りません。
上から降りてきた指示を、それぞれが黙々とこなしていくだけの状態は、どちらかといえば"作業"や"分担"と呼んだほうがしっくりきます。
協働関係にあるとき、人と人の間にはもう少しあたたかなものが流れています。
自分の役割を果たしつつも、「一緒にこのゴールを目指している」という感覚が持てていること。
どちらか一方が引っ張るのではなく、お互いの考えや強みを出し合いながら、「じゃあ、どうしていこうか」と対話が生まれていること。
そんな状態をイメージしていただくと、協働関係の輪郭が少し見えてくるかもしれません。
英語に置き換えると、パートナーシップやコラボレーションといった言葉が近いでしょうか。
上下ではなく、対等な立場で、お互いを尊重しながら共通の目的に向かっていく。
それがここで言う「協働関係」です。
一緒にいるのに、協働になっていないとき
日々の仕事や家庭生活を振り返ってみると、「一緒にいるはずなのに、協働している感じがしない」と感じる場面も思い当たるかもしれません。
たとえば、指示されたことを「とりあえずこなす」だけになってしまっているとき。
本当は気になることがあっても、場の空気を乱したくなくて、心の中でそっと飲み込んでしまうとき。
家族の間で、「誰が悪いのか」「どちらが我慢するのか」という話に終始してしまうとき。
そんなとき、私たちはどこかで「一緒に考える」ことを手放してしまっているのかもしれません。
その結果、「自分だけが頑張っている」「どうせ分かってもらえない」といった感覚が、じわじわと募っていきます。
一方で、たとえ状況がすぐには変わらなかったとしても、「どうしようか」「こうしてみるのはどう?」と、誰かと一緒に考えられた瞬間、少し肩の力が抜けることがあります。
問題が一気に解決しなかったとしても、「一緒に向き合ってくれる人がいる」というだけで、見える景色は驚くほど変わるものです。
協働関係とは、成果を出すための"効率の良いやり方"というだけではなく、そんな心の支えにもなるような"つながり方"なのだと思います。
コーチとクライアントの間に生まれる協働関係
では、コーチングの場における、コーチとクライアントの関係はどうでしょうか。
コーチと聞くと、「教えてくれる人」「正しい答えを知っている人」というイメージを持たれる方もいらっしゃいます。
けれども、コーチは万能な答えを与えてくれる存在ではありません。
むしろコーチは、「答えはその人自身の中にある」という前提に立ち、その答えが自然と姿を現してくるような対話や問いかけを行う人です。
クライアントは、コーチの言うことを聞く"受け身の人"ではなく、自分の人生や仕事の主役として、「どうありたいか」「何を選びたいか」を自分で決めていく人です。
二人が向き合うとき、コーチとクライアントは同じ一点―クライアントの望む未来や変化―を見つめています。
どちらかが上でどちらかが下、という関係ではなく、「その未来に向かって、二人で一緒に考えていきましょう」というスタンスで並んで座っている。
そこに、コーチングならではの協働関係が生まれます。
その対話の中では、普段なら自分で自分に言ってしまう「でも」「どうせ」「無理に決まっている」といったブレーキも、少しずつほどけていきます。
「もし制限がないとしたらどうしますか?」「本当は、どうしたいと感じていますか?」
そんな問いを、評価やジャッジから離れて一緒に味わう時間は、自分一人で考えていたときとは違う景色を見せてくれます。
「協働関係」は、頭で理解するより"体験"したほうが早い
ここまで読んでいただければ、「協働関係」が大切なものであることは、きっとなんとなく伝わっていると思います。
ただ、その心地よさや具体的な感覚は、どうしても文章だけでは伝えきれない部分があります。
評価やダメ出しをされることなく、自分の話をじっくり聴いてもらうこと。
否定や押しつけのない言葉で、「そう感じているんですね」と受けとめられること。
そのうえで、「では、ここからどうしていきましょうか」と前を見て一緒に考えてもらえること。
こうした体験は、実際に味わってみると、想像していた以上に穏やかで、そして力強いものだと感じる方が多いようです。
「こういう感じなんだ」と、頭というより体で覚える感覚に近いかもしれません。
もし今、仕事のことや人間関係のこと、これからのキャリアのことについて、どこかモヤモヤした思いを抱えているとしたら、紙に書き出して整理してみるのも、本を読んでヒントを得るのも、とても有効な方法です。
その上で、「誰かと一緒に考えてみたいな」と少しでも感じたときには、コーチとの対話という選択肢も、そっと思い出していただければと思います。
協働関係に触れてみる、ひとつの選択肢として
銀座コーチングスクールでは、こうした協働関係の一端に触れていただける場として、「コーチング無料体験講座」をご用意しています。
コーチングの基本的な考え方や、コーチとクライアントの関係性についてお伝えしつつ、短い時間ではありますが、実際の対話の雰囲気も感じていただけるプログラムです。
「いきなり本格的に学ぶのは少しハードルが高いけれど、自分に合うかどうかは確かめてみたい」
そんなお気持ちでのご参加も、もちろん歓迎しています。
ご興味がありましたら、よろしければ一度、体験講座のページも覗いてみてください。
協働関係は、大きな決意や劇的な変化から生まれるというよりも、「ちょっと話をしてみようかな」という小さな一歩から、少しずつ育っていくものなのだと思います。