目標が「逃げ水」になっていませんか?
「逃げ水」ってご存知でしょうか?
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』は、次にように
説明しています。
「逃げ水(にげみず)とは晴れた暑い日にアスファルトの道路など
で遠くに水があるように見える現象のこと。近づいてもその場所に
水はなく、さらに遠くに見える。水が逃げていくように見えること
からこの名前がある。」
私のコーチングクライアント(女性)で、ある専門分野での講師を
目指している方がいらっしゃいます。講師になることが「目標」で
すから、当然、「いつ」すなわち達成期限が話題になります。
彼女曰く、「実務経験を積んで、もっと自信がついたら」。
ありがちな答えです。
では、どこまで実務経験を積んだら、十分と言える自信が持てるの
でしょうか?
いつになっても、持てないと思います。結局、目標は、いつまで経っ
ても「逃げ水」のようになってしまいます。
今までやったことのないことにチャレンジするのに、初めから自信
を持つことなど、できるわけがありません。自信は、経験によって
培われるものだからです。
要は、自信がないからやれないのではなく、やらないから自信がつ
かないんです。
かと言って、いきなり大冒険するわけにもいきません。
そこで、彼女のリソースを探ってみました。
講師とまではいかなくとも、人前で何かを話した経験は?
すると、小さな集まりで、その専門分野についての説明をしたこと
があるとのこと。自分としては、当たり前のことしか話さなかった
のに、聴いている人は、「ほう~」としきりに感心していたとか。
彼女は専門分野での資格を持っています。なおかつ自身の実務経験
を踏まえた上で、素人相手にその分野についての話をするわけです
から、当然と言えば当然のことです。
あれ? それって、講師ですよね? もう経験があるんですね!
そういう機会を、もっと多く持てるようにしてはいかがですか?
彼女は、既に目標達成の可能性を、内に秘めていたわけです。とい
うか、そのような可能性がなければ、「講師になる」という目標を
持つことも、なかったでしょう。
ちなみに現在、彼女は外国人のための日本語講師を行ない、専門分
野外ながら、◯◯先生と呼ばれる立場になっています。いずれは専
門分野での立派な講師を目指し、人前で話す経験を積むために、ボ
ランティアに応募したのだそうです。
目標達成のために、着実に歩みを進めているクライアントに接する
と、本当に勇気づけられます。
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