Coach Interview - 砂村義雄 コーチ(前編)

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人生を変える秘訣は「何事にもオープンであること」

 外資系企業でキャリアを積んで海外生活を経験しながら、帰国後の転職で大挫折をしたという砂村さん。オープンになれたことで人生が劇的に変わったそうです。
(聞き手:山上 晴美コーチ)

インタビュー

挫折を乗り越えるきっかけになったコーチとの出会い

−会社員時代からコーチングを学んで、現在は起業してコーチングを専業にされている砂村さん。どんなきっかけでコーチングを学ぼうと思ったのですか。

 コーチングは、初めて日本に入ってきた1990年代の終わり頃から知っていました。
 会社の仕事とは別で、私は中小企業診断士の国家資格を持っていて、5年に一度、資格更新があるのですが、その時の更新研修の中にコーチングスキルがあったのです。
 中小企業診断士というのは中小企業を相手にする仕事なので、社長さんからいろいろな課題を引き出すことが目的で、傾聴のスキルと質問のスキルを学んだのです。その研修で2日間、ロールプレイをやったりして真面目に練習しました。

 中でも私には「質問のスキル」というのがヒットして、会社に持ち帰って早速部下たちに使ってみました。そうしたら部下たちが「砂村さんいつもと違いますよ。なんか変です。それって誘導していません?」って。
 当時の私は「この質問の次はこうだ。こう来たらこうだ」と嬉々として質問を繰り出して...、今思うととっても恥ずかしい。つまり自分の「アジェンダ」で全てやろうとしていたので当然、部下たちからはそっぽ向かれました。それで、コーチングってやっぱり機能しないと思ってしまいました。やっぱりアメリカのものをそのままやってもダメだなって感じました。
 それがコーチングに対する私のファーストインプレッションでした。

 それから15年くらい経って、20年勤めた会社を自らの意思で辞めて海外へ飛び出し、現地で5年くらい仕事をして2011年の震災の年に帰国しました。ずっと外資系の会社に勤めていて、海外経験もあり英語も話せるし、次の転職先はこういうところで、ポジションはこれくらいの高さで、年収はこのくらいのレベルだと勝手に思い描いて、それに当てはまるような外資系企業を見つけて戻ってきました。ところが働き始めたら全くダメだったんです。


−何がダメだったんですか?

 パフォーマンスが全然出ない。仕事が進まないし、部下から全く受け入れられませんでした。「何となくやばいな。会社選びを間違ったかな」と悶々とする日々が続いたある朝、社長に呼ばれて、「入社まだ2カ月くらいだけど、他の会社探した方がいいよ。3カ月あげるからその間に次の会社探して」って。退職勧奨でした。

−それはショックですね。

 ショックだし、お先真っ暗で人生最大の危機。どうしようって、頭の中真っ白でした。
 でも誰に相談したらいいかわからない。
 それまで、人に相談して決めるという発想が私にはそもそもなくて。全て自分で考えて、自分で検討して、自分で決めて行動するという思考回路でしたから。自分の弱みを見せたり、迷ったりしていることを伝えないと相談にならないけれど、それがそもそも嫌で、大いに抵抗感があったんですね。
 だけどその時ばかりはちゃんと相談しないとダメじゃないかって思って。昔聞いたことがあった「プロコーチ」のことを思い出したんです。
 コーチング自体にあまりいい印象がなかったけど、溺れるものは藁をも掴むで、腹を括ってコーチを検索しました。そうすると検索結果の上位には色々なコーチやコーチング会社が出てきて、偉そうだったり売らんかなって感じだったりで、何となく違うなと思い、今度は下位の方を見ていったら、サラリーマンをやって挫折してコーチングを学んで独立したっていうプロコーチを見つけたんです。こういう人だったら今の私の気持ちをわかってもらえるかなと思って、その人のコーチングを受けることにしたんです。


−ネットで見つけたコーチとのセッションはいかがでしたか?

 今思えば、その人はプロコーチとして当たり前のことをしていただけですが、当時の私にはびっくりでした。長い時間延々と私の話を聞いてくれるんです。良いことばかりじゃなくて失敗談も話しました。ジャッジせずに何でも聞いてくれて「で、砂村さんはどうしたいの?」って。そういう感じでどんどん深掘りしていくようなセッションをやってもらいました。そうするうちに、どういう仕事がやりたいかとか、そもそも何を望んでいるのかということがクリアになってきて、まさにGCSのテキストに書いてあるようなことが起きて、程なく転職先が決まったんです。
 自分の言葉で方向がクリアになって、出来ていることと出来ていないことがわかってきて、だからこういう会社が良い、自分に合っているという方向性が見えたから次の会社が決まったというわけです。そこでやっとコーチングの力ってすごいなって思えたんです。
 私の最初の師匠でもありメンターでもあるそのコーチとは、今でも付き合いがあります。私がコーチングで独立するって言ったらすごく喜んでくれました。


−最初に会ったコーチが師匠と言えるくらい合うコーチだったというのは幸運だと思いますが、大勢のコーチの中からその方がいいと思ったのはどんなところが決め手になったからですか。

 そこに至るまでの経歴が自分ととても近い感じがしたところです。その人はサラリーマンをやっていたけど仕事がうまくいかずに挫折して、コーチとして独立してやっている。そのマイナス面の挫折みたいなところが似ていると思ったんです。あんまりキラキラピカピカの大コーチをつけたら、その時の私のメンタルだったら前に進めなかったと思うんです。

−クライアントを探しているコーチは、人には言いたくないような挫折した経験についても深く洞察して、率直に開示することが大事ですね。

 すごく大事だと思います。クライアントとしてコーチングセッションを受ける時に、何を目的にするかによって選ぶコーチが変わってくると思うんです。
 イケイケで行きたい人はそういうコーチをつけた方がいいし、立ち止まって方向を定めようとしているならば、そういう経験がある人にしたコーチがいいです。プロコーチは、経験とできることを明確に伝えるという姿勢が大切ですね。

−そのコーチをつけるきっかけになった、入社した会社でうまくいかなかったのは、今思えばどうしてだと思いますか?

 それは、私が至らなかった自責の部分と、他責の部分があると思います。
 自責の部分は、すごく単純なんですけれども 部下の人たちに「これわからないから教えてくれないか?」って言えなかったことです。
 転職してそれなりのものを期待されて、プライドもあって、このくらいのことは出来るだろうという目論みもありました。だからその会社に雇われたってこともあるだろうけど、内心はよくわからないことがたくさんある。でも正直に教えて欲しいと自分から頭を下げることが出来なかったこと。それが最大の反省です。
 実はわからなくて、どうしていいか困っていたのに、部下に馬鹿にされるのが怖くて虚勢を張っていた。周りから見れば結果出してないんじゃないかって。期待されればされるほど、自分の中でぐるぐる回っていました。自責の部分をもう一点挙げるとすると、私は人との関係を作るということを一切考えてなかったことですね。

 一方、他責の方は、上司が私という新しい人間に対して、受け入れやすい環境を作ってくれようとしていなかったこと。お手並み拝見と言うようなどこか敵対されている雰囲気を感じていました。例えば私の部下たちに、「今度こういう人が来るから助けてあげて」などの一言があったらどんなに助かったかと思います。自分がその上司の立場だったら、先ずは環境づくりをするだろうとか、ひと声かけるとかしたでしょうね。でもそれを自分のパフォーマンスが出ない理由には出来ませんけど(笑)。

−そういうことでしたか。その後、次の会社に行ってから、最初の「コーチングは機能しない」から一転して、自分でも学びたいと思うほど興味が湧いてきたのですね。

 はい。仕事をしているうちに、ふとセッションのことが思い出されて、自分も学びたいと思うようになったんです。それでその師匠に弟子入りさせて欲しいと言ったら、「自分は体系立てて教えたりしていない。世の中にスクールはいろいろあるけれど銀座コーチングスクールっていうところに行ったら?」って助言してくれたんです。カリキュラムがちゃんと決まっていて良いって。

インタビュー

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Profile
砂村 義雄(すなむら・よしお)コーチ
GCS認定プロフェッショナルコーチ
GCS認定講師(横浜校元講師)
国際コーチング連盟(ICF) Professional Certified Coach(PCC)
外資系企業勤務歴33年の経理・金融ビジネスマン出身。管理職として部下育成、女性スタッフの活性化など職場で多くの課題解決に携わる。米国・シンガポール・中国への出張を数多く体験した後、海外の仕事を求めて家族と共にニュージーランドに5年間移住。
2011年に日本帰国後、人生のどん底で受けたコーチングを契機に、コーチングの魅力と効果に魅せられプロコーチの道へ。米国系企業の財務経理本部長を経て2018年に独立。「ステッププラス・コーチング&コンサルティング」代表、エグゼクティブ・コーチ。
現在、経営者・企業向けにエグゼクティブ・コーチング、並びにコーチングとコンサルティングを組み合わせた「協業型コンサルティング」を提供。また「1on1ミーティング」導入支援や管理職研修を通じて、組織開発・企業風土改革のプロジェクトを展開中。
中小企業診断士・経営学修士(MBA)・英語教師認定資格・ニュージーランド永住権を保有。
http://stepplus-coaching.com/

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