Coach Interview - 野澤 幸恵さん ー 中学校教諭 ー

1.5時間でコーチングの全体像がスッキリ分かります!
「コーチング無料体験講座」詳細と開講日程
ynozawa.PNG お名前:野澤 幸恵さん
ご職業:中学校教諭
出身校:GCS札幌校

聴き手:GCS札幌校

学ぼうと思ったきっかけ

 自分の思いが子どもたちに伝わらないなど、学級経営が行き詰っていました。以前、保険会社の人から「コーチングはいいよ!」と聞いていたので、藁にもすがる思いでコーチングを学べるところ探し、GCSの体験講座、レギュラークラス(A~D)を受講しました。

コーチング活用エピソード

バカにした男の子を見返したい女の子

 クラスA受講後すぐに、生徒と1対1の教育相談があり、さっそく「聴く」スキルを使って子どもの話を聴くようにしました。すると、今までとは比べられないくらい、生徒がどんどんと話してくれるようになりました。私がただただ「聴く」ようにすると、生徒の中から解決策が自然にでてくるようになっただけではなく、生徒の表情がみるみる明るく変わっていくのを目の当たりにして、コーチングの手ごたえを感じました。「まるで魔法のようだ」と感じました。

 ある女の子の話です。授業中、教師からの質問に答えられなかった女の子は、クラスの男の子にバカにされて、とても悔しい思いをしていました。以下はそんな彼女との教育相談での会話です。

 いま、どんな気持ち?
女の子 くやしい。
 あなたはどうしたいの?
女の子 見返してやりたい。
 何か先生に依頼したいことはある?
女の子 ないです。
 相手の男の子には?
女の子 ないです。私、がんばって勉強して、相手に"ギャフン"と言わせたいです。

 女の子は誰かに何かを求めるのではなく、この問題を解決するために、自分自身が変わることを自分の考えで決めました。この話を聞いた女の子のお母さんは、「"あなたはどうしたいの?"なんて、こんな聴き方があるんですね!」と大変驚かれていました。

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掃除をサボる女の子

 掃除をサボっている女の子がいました。以前の私ならば、その場で怒っていたのかもしれませんが、今ではクラスAやCで学んだことを生かして、質問中心のコミュニケーションをとるようにしています。

女の子 (掃除をサボっている)
 いまは何してたの?
女の子 さっきまで掃除してたよ。
 そうなのね。でも、いまは周りの人からはどう見えると思う?
女の子 掃除をしているようには見えないかもね・・・(掃除を再開する)

 頭ごなしに「●●をしなさい!」と言うのではなく、質問をして考えさせることで本人が納得し、生徒たちの自発的な行動が増えました。私は怒らなくて済むようになり、ただ静かに「どうだい?」と質問し、相手の答えを待つだけ。生徒も私もイライラすることなく、生徒が自発的に動くようになる。本当に魔法のようです。この女の子をよく知る他の教員から、「あの子が素直に態度をあらためるなんて、スゴイね!」と驚かれました。

クラブチームか部活か?

 体育祭の前日、ある男の子が顔色を曇らせて相談に来ました。この男の子はサッカーのクラブチームに所属しており、将来はプロのサッカー選手になることを目指していました。しかし練習はきつく、精神的にもかなり辛くなっていたようです。サッカーは好きなので、学校の普通の部活動に入りたいとも思っていましたが、高いお金を払ってクラブチームに入れてくれた両親に申し訳ないという気持ちもあり、とても悩んでいました。私は2度ほど彼の相談に乗りました。クラブチームに残るのか、部活動に編入するのかの選択は、今後の彼の人生に大きく影響することなので、私はどちらかを薦めるのではなく、ニュートラル(中立)な立場で、接することにしました。

 クラブチームに残るメリットとデメリットは?
男の子 メリットは、プロになるための技術を得ることができる。デメリットは、精神的に辛いこと...。
 では、部活動に入るメリットとデメリットは?
男の子 メリットは、楽しくサッカーができる。デメリットは、高い技術は得られないかもしれないし、クラブチームから逃げるような気持ちになるかも。あと、高いお金を払ってクラブチームに入れてくれた両親に申し訳ない・・・。
 あなたの気持ちを数値で表すとどうなの?
男の子 8~9割は部活動かな・・・。
 では残りの1~2割は何だろう?
男の子 親に悪いという気持ちかな。
 どちらにもデメリットがあるけど、どちらかを選んでも、それを受け入れられる?
男の子 うん。
 それを選択するのは誰?
男の子 自分で決めたいな。今晩、親と話してみます。

 そして翌日、男の子は部活の顧問の先生のところに行って、入部の希望を伝えました。まもなく、男の子のお母さんが来校されるという連絡があり、入部できることへのお礼の挨拶に見えるのかと思ったので、部活の顧問と一緒にお母さんにお会いすることにしました。お母さんは確かにお礼のために来校されたのですが、そのお礼の相手は私だったのです。「息子の話を2時間以上も聴いてくれて、息子の悩みの相談に乗ってくれて、そして、その答えを自分で出すことができ、息子に笑顔が戻ってくれて本当に良かった」と。お母さんは涙を浮かべながら、私の手を強く握りました。私は、男の子は「親に申し訳ない」と考えることができる優しい心の持ち主で、とても素晴らしい子だと思ったことを伝え、そして、私はただ男の子の話を整理しただけ、ということを伝えると、お母さんは涙をこらえるような表情で、うんうん、とうなづいていました。

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感じたこと

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 コーチングのスキルとマインドを学び、このような体験を数多く経験するようになって、生徒や保護者の方々との信頼関係が深まったように思います。自分の教育に対する熱意は以前と全く変わっていないのに、コーチング的な関わりができるようになっただけでこんなに変わるなんて、本当に「魔法」のように感じています。以前は、「自分がしゃべらないといけない」と思っていましたが、今は子どもたちに、「あなたは、どうしたいの?」と尋ねる。子どもたちは、自分でしっかりと自分の考えを探すことができて、満足げな顔で答えます。「答えは子どもの中にあるんだ」と強く実感しています。

 教育の現場で苦労されている先生がいらっしゃったら、コーチングが助けになるかもしれません。あの辛かった10年前の自分にメッセージを送れるのならば、「早く、コーチングを勉強しなさい!」と伝えたいです。

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