Coach Interview - 山本敏行 コーチ（後編）福井校講師

　会社員時代に学んだコーチングをさっそく職場で活かそうとして大失敗したという山本敏行さんに、その体験から得た気づきとその後のたくさんの出会いについておうかがいしました。
（聞き手：山上 晴美コーチ）

ーー ―現在、講師としての仕事をされていますが、コーチングを実際に活用できたことを他の人にも伝えようという気持ちからでしょうか。

　最初はファシリテーションの講座を受けようと思って新宿校に行ったのですが、来ている仲間のレベルが高くて、先生も熱い授業をしていたのでついつい引きずられるようにして最後まで出てしまったって感じです。その後ですね。講師は人に教える立場なのでよりしっかり把握してないといけないって実感したのは。実は僕は喋るのが苦手なんですが、人前で喋らなきゃいけないことを自分に課してる。それは、やれば何か 得るものがありそうという感じでしたから。

ーー どんな事を得られましたか。

　目標の立て方の大切さとか。それと、学びに来る人たちのエネルギーが高いのでそれをいただくとか、その方々と繋がれたことがいろいろとリソースになりました。今も実は金沢校で一緒だった人とイベントをやろうと企画しています。8月９日の「野球の日」に甲子園に行けなかった全国10校の球児たちを集めてプレゼンの大会をやろうという。プレゼンの内容は、3年間やってきて苦しかったこと、乗り越えた経験、最終的には将来どうなりたいかってことです。「目標の甲子園と目的の甲子園」というのがテーマで、試合に勝つためが目標の甲子園なんだけど、人生の為の目的の甲子園があるってこと。それは試合が終わってもなくならない人生を乗り越えてゆくのが目的なんだっていうことを共有したいイベントです。

ーー素晴らしい。大勢の方に参加してほしいですね。それ以外に 今やっていることをさらに展開するとか、思い描いているようなことがありましたら。

　今はスポーツをやってますけど、今まで40年近くやってきたビジネスの方でコーチングを活かした関わりをもう少し進めていきたいと思っています。四年間、ビジネスコーチングのオープンセミナーなんかをやっているんですけれど、それをもう少し企業さんに持ち込むとかしていきたいです。会社員時代、自分がいろいろ問題起こしてきたので、そういう経験から同じようなことにならないように少しでもサポートできたらと。

ーーご自身の経験そのものが、リソースとして今役立っているということですね。自粛でテレワークが広がって、働いてる人達の意識も変化してるように感じます。これからの会社との関わりについてはどんなふうに思いますか。

　今起きていることは短期的なことだと感じてます。基本的にはコミュニケーションは大切です。テレワークになってコミュニケーションの時間が取れなくなってきています。今まで対面で、お互いの合意を取るとか関係性を高めるとかという行為を、テレワークで効果的にどうやって埋め込んでいくのか。そういうところにこれからのコーチングの可能性があると思います。もちろん対面でしっかり話をするのは大事です。

ーー会社員時代に突然大勢の部下を持つことになったことからコーチングと出会って、今の山本さんがある。もし出会ってなかったらどうでしょうか。

　世の中に対する視野が狭かったと思います。そしてスポーツコーチングもやってなかったし、幅広く人と接していろいろな考え方を見聞きしたり経験したりする楽しい経験もなかったですね。さらに、家族こともあります。今、親父（91歳）と嫁の母親（90歳）と同居しています。私の母親は近くの施設に入っています。そういう環境の中でイライラしたり時間が取られたりしますが、コーチングのおかげでなんとか受け止められています。コーチングをやっていて良かったと思いますね 。
　これからコーチングを活かしていきたい人は、まず実践するってことです。失敗はないので。
　セッションもそうですけれど日々仕事の中で、5分でも10分でも話を聞くっていうイメージでやると聴く力が高まると思います。

ーーいつでもコーチングマインドでってことですね。失敗談も参考になりました。ありがとうございました。