Coach Interview - シド 聡子 コーチ(前編)四国校講師

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生き方を見直す今、そこに向かう自分らしいコーチング

 子どもを授かったときに感じた「親としての在り方」を追求し、自分自身の評価を大きく書き換えて変化を果たした、シド 聡子さん。そこから得た気づきとはどのようなものなのでしょうか。
(聞き手:山上 晴美コーチ)

インタビュー

親の背中を見て育つ子どものために

ーー 四国校の講師プロフィールに、「自分を変えたかった」とありましたが、どのようなことを変えたかったのでしょうか。

 「自分を変えたかった」と言うのは、私にとっては「自分を好きになりたかった」ということです。子どもの頃から自己肯定感が低く、小学校の高学年くらいから、生きている価値やこの世に産まれてきた意味を考えていました。たくさん自己啓発本などを読んで、なんとかか他人から認められる自分になろうとしていました。今思えばとてもこじらせていたと思います。大人になってから、ダンボール箱3箱分ぐらいあった本を処分しました。ほとんどの本に「まずは自分を好きになろう」と書かれていました。だから「自分を好きにならななければいけない」と。

 特に何ができるわけでもない自分を好きになることができませんでした。進学して就職をしましたが、何をやっても頑張りきれず中途半端で、新卒で入社した会社は1年ほどで退職しました。その頃、新聞にたまたまコーチングの記事が出ていました。それは吉本興業が芸人さんを売り出す時に、その方の強みや特徴を活かしてプロデュースするという話でした。それを読んで、私もプロデュースされたい。「あなたの生きる道はこっちですよ」って示してほしい。そうすれば社会が求める自分になれて、自分を好きになれるかもしれないと思いました。でも当時は「コーチングかぁ」と思いながら調べもせず、いろいろな会社に転職していました。

 どこに行ってもそれなりに頑張っているつもりでしたが「ここは自分の居場所ではない」と逃げていました。それからご縁があって結婚し、子どもが産まれたのですが、「これはいよいよまずいぞ」と感じたのです。当時の私は、子どもは親の背中を見て育つと考えていたので、「そうだとしたらとてもまずい」と焦りました。「この世に私と同じような人間はいらない。こんな私のような人間がもう一人いては困る」と思ったからです。今思えば自己肯定感がかなり低かったのです。

ーー お子さんにご自分の背中を自信を持って見てもらうためにコーチングを始めたということですか。

 その時はコーチングということは考えていなくて、このイケていない自分をどうにかしなきゃと思いながら日々の育児に追われていました。そうしたら、週一でポスティングされる地域情報が載っているフリーペーパーに「コーチング無料体験講座」の案内を見つけたのです。「あ、これだ!これに行かなきゃ」とすぐに母に連絡して子どもを預かってもらうことにしました。それがGCSの無料体験講座でした。

ーー フリーペーパーに体験講座の広告が出ていたのですね。それは巡り合わせですね。

 そうです。それで早速申し込んで受けて。話の聴き方や質問の仕方などを教えていただきました。そういう話はそれまでに聞いたことがなかったので楽しかったです。でも一方で、これが自分を変えることにどうつながるのだろうという疑問がありました。講座の終了後、受講生の方やアシスタントの方たちとお食事して、四国校の代表の山本さんとお話をさせていただき、パーソナルコーチングを受けることにしました。そこで私が漠然とやってみたかったことを話して、後押しをしてもらい、ついに実現できました。当時、子どものアレルギーの関係で食事療法をやっていたのですが、ママ向けに何かしたいと思っていたのですが、山本さんを通じて知りあったフラワーアレンジメントの先生とコラボして、ママたちがホッと一息つけるような交流会をすることができました。

ーー 主催されたのですね。やってみていかがでしたか。

 私でもそういうことができるのだと思えたのと、自分1人で仕事をしている女性を見て世界が広がり、自分の中の選択肢が増えた感じがしました。
 これは個人セッションを受けていたからできたので、コーチングの力を感じました。セッションでは自己肯定感を上げること以外の話もたくさん聞いていただきました。一番大きな気づきは、「私がやりたいことをやっていい」ということでした。クラスの方はそのあと受けましたが、学んでいくうちにどんどん面白くなってきて、2012年に認定コーチになりました。

ーー どんなところがどんどん面白くなってきたのですか?

 個人セッションを受けている段階で、コーチングは一般的な悩み相談とは違うと感じていましたが、それはこういうことだったのかと謎が解けていくような感覚がありました。
 また、一緒に受講していた方たちとの出会いも刺激的で、今まで自分がいた世界から一歩別の広い世界に出ることができて視野が広がりました。お互いの存在を評価批判なく認め合える関係の心地よさもここで初めて体験したような気がします。

 その頃は、食事療法の料理をもっと伝えていきたいと考えていて、自宅で小さく教室を開催していたのですが、私のように自己肯定感が低くてしんどい思いをしているお母さんがいるのを肌で感じることがありました。私自身が山本さんのコーチングでかなり助けられたので、私もお母さんたちを助けられたらいいなと漠然と考えていました。 そのうちに、料理教室はどうも向いていないような気がしてきました。子どものために一生懸命にやっていましたがもともと家事があまり好きではなく、決して楽しいことではなかったと気づいたのです。なので話を聴くことだけに専念しようと思いました。
 それで、所属していた子育て支援のNPOの中でコーチングのスキルを伝えながら、みんなで雑談的な話ができる小さな集まりを作りました。それを月一で開催し、そこから個人セッションのお客さまがいらっしゃるようになりました。
 個人セッションをしながら、コーチング的な考え方をインストールできたらみんな生きるのが楽になるのではないかという思いを抱いていたので、四国校講師養成講座を受けて講師になりました。学びながら受けると早く変化が起こせることも実感していました。

ーー コーチング的な考え方というのはどんなことですか。

 GCSで言うとコーチングピラミッドの下の方です。自己基盤を強くすると世の中の見方や物事の受け取り方が変わると思います。それはニュートラルでいると言うことでもあります。それが私の中ではクラス受講当時の最大の難関でした。どういうことなのか訳がわからなくて、受講生同士の勉強会のテーマにしたこともあります。でもだんだん言葉では説明できないけれども感覚としてはわかってきました。それがわかればわかるほど、生きやすさを感じるようになりました。

ーー 講師をしてみてどんな感じがしましたか。

 やはり伝えることの難しさを感じました。自分が深く理解してそれを言語化できないと伝えられません。私はどちらかと言うと感覚派で、論理的というよりは雰囲気を感じて発言するタイプみたいなのです。この感覚の部分を人にどう伝えるかということが難しかったです。教えるという場面では自分が感じたことをただ言葉にすれば伝わるわけではないので、聞いた人が腑に落ちるにはどうしたらいいかということに頭を使いました。でもそのおかげで、私自身のコーチングへの理解がすごく深まったと思います。

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Profile
シド 聡子(しど さとこ)コーチ
GCS認定講師
GCS認定プロフェッショナルコーチ
香川県生まれ。 出産後、母親になりきれない自分に悩みコーチングを学ぶ。
2012年、銀座コーチングスクールの認定資格を取得。その後四国校の講師となる。現在は、本来の自分と乖離した生き方に悩む女性起業家たちの力になるべくコーチングを提供している。クライアントからは「こんな自分になれると思わなかった」「自分の進む道が分かった」など好評を得ている。

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