Coach Interview - 井上 礼子 コーチ（後編）神戸校代表

　心理カウンセリングからコーチングを学び、現在GCSで「コーチのための心理学講座」を開催されている神戸校代表の井上礼子さんに、心理学の学びでより深くなるコーチングセッションについてお話をうかがいました。
（聞き手：山上 晴美コーチ）

ーー カウンセリングかコーチングかと、GCSでもその違いを学びますが、判断に迷うようなことがあったらどうでしょうか。

　カウンセリングとコーチングの境界線は定義がありませんよ。クライアントも「私はコーチングです」、「僕はカウンセリングです」と明確にわかってやってくるわけではないですから、コーチングをしていい人かどうか、コーチ側が見極めることが大事です。それができなくてかえって悪化させてしまったという話を私も聴いたことがあります。自分が学んだコーチングだけで対応できるかどうかですね。自分で対応が無理だと思ったらきちんと他の機関につないでいく必要があると思いますし、クライアントには、どうしてコーチングでは対応ができないのかを説明できれば尚良いと思います。

ーー １年前にお話をうかがってからと現在までに何か変化はありましたか？

　昨年、心理の国家資格である公認心理師の資格をとったので、より正しく活動をしないといけないと思っています。教育関係とか福祉とか仕事の幅が広がりそうです。コーチングもそうですが、資格があることで仕事も広がりますし、間違ったことはできないという責任を感じます。

ーー 井上さんが最初にカウンセリングの仕事をすると決めたときには、何が動かしたのでしょうか。

　そうですね。単純に人が成長したり変わっていくのを見る仕事は素晴らしいなと思っていました。ただ、絶対にこの道っていう自信があるわけではないです。もしも自分が勉強する意欲がなくなったり人に貢献する気持ちがなくなったら、こういう仕事はやめなくてはいけないと思っています。人の成長に関わる仕事をするなら、自分も成長したり勉強していたりしていたいです。

ーー勉強する気がなくなる時が来たらというのは、どんな時にそうなるかもしれないのですか。

　いつだかある方に「井上さんいつも勉強しているのね。そんなに資格とってどうするの？」って言われたことがあって。別に資格マニアではないのですが、勉強しなくなったらそれはよくないし、私のやり方ではない。ずっと自分を高めていきたいと思っています。意図してないことを耳にして、私は人にはそんなふうに映っているのかなって思いました。

ーー なるほど。人それぞれ、合う勉強の方法がありますね。今いくつかの仕事をされていて、何に一番やりがいを感じていますか。

　この心理学講座が一番やりがいを感じますね。GCSで開催させていただいて、自由にやらせてもらっているこの風土に感謝しています。自分のことってなかなか出て来ないものなんですが、講座ではグループでディスカッションしていく中で、自分と他人との違いとか価値観に気づくポイントがあるんですね。「人との中でしか学べない」ってことが大きいと思います。皆さん講座にいらしてほしいと思います。

ーー 「人との中でしか学べない」本当ですね。講座で伝えていることはきっと世の中の多くの人にとっても必要なことですね。最後にこれからさらに展開させていきたいことはありますか？

　遠方の方から心理学講座を受講したいとメールをいただくことがあるので、地方都市でも展開できたらいいなと思っています。 個人としては、所属している学会の勉強会などに参加していこうと思っています。カウンセリングもコーチングも学びをもっと深めていきたいです。自分がどんなに変わるか楽しみです。

ーーコーチたちにお伝えしたいことはありますか？

　最近、クライアントの了解なしにSNSで情報を発信したり、クライアントの個人情報を漏らしているコーチを見聞きしました。コーチとして活動するにあたり、守秘義務、個人情報の観点なども正しく守っていきたいと思います。

ーー 本当にそうですね。私たちがそれを守ることが前提でこの仕事が成り立っています。これからもより充実した講座ができること楽しみにしています。ありがとうございました。