Coach Interview - 井上 礼子 コーチ(前編)神戸校代表
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心理カウンセリングからコーチングを学び、現在GCSで「コーチのための心理学講座」を開催されている神戸校代表の井上礼子さんに、心理学の学びでより深くなるコーチングセッションについてお話をうかがいました。 |
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クライアントの課題の背後にあるものに目を向ける
ーー 昨年のインタビューでは、ご自分のメンタル不全から心理学、コーチングを学び、地方校を立ち上げるお話をうかがいました。神戸校の運営と「コーチのための心理学講座」の近況をお聞かせいただけますか。
神戸校は昨年から一人講師が加わって、兵庫県は広いので、神戸と姫路で展開できて活気が出ています。最近、受講生に部下を抱えている中間管理職の方が多くて、話を聴いたりコミュニケーションをとることの大切さとか、「1年間で自分が変われたので受講してよかった」などとお聞きしてうれしいです。
ーー 「コーチのための心理学講座」は東京でも開催していて、コーチの方からの需要が高いようですね。
今開催している講座は、元々は神戸でゼミナールとしてやっていたのが、昨年から東京でも講座として開催していただくようになりました。そもそもは、「習った通りに部下にコーチングをしているんだけどうまくいかない」という方や、「クライアントのテーマが深くて、このままコーチングで進めていいんだろうか」というご相談を受けるようになったからです。クライアントに心理的な問題が実はあるのに、コーチ側が見抜けてないことが問題なのではないかと思いました。それで、私があちこちで学んできた、心理学理論、療法とか手法をまとめて、コーチングに使える心理学講座をつくったのです。神戸校でクラスを受講された方にお話をうかがうと、「もう少し心理学理論を学びたいけど今から大学に行くのは敷居が高い」という声が多かったからです。心理学は難しいと思われたくないのでできるだけわかりやすく伝えています。コーチング自体にも心理学やカウンセリングから借用したスキルがたくさんありますから。現在、東京と札幌、5月からは大阪で始まります。
ーー 部下へのコーチングの難しさやクライアントのテーマが深いという問題は、多くのコーチが感じているのではないでしょうか。コーチングの目標設定と行動促進に行く前の段階で、クライアント自身に前に進む準備が整っているかということですね。その講座を受けると具体的にどんなものが得られるとか、わかりやすい事例などがありましたら。
そうですね。細かい事例は出せないんですが、クライアントが持っているパターン、例えば、いつもあきらめてしまうとか、いつも自信がないとか。いつも人の目を気にして人のために動いてしまうとか。どうなりたいかという前に、その人が陥っているパターンや信念を探っていくことを事例検討ではしています。
他には、人が行動するときは必ず感情とセットになりますが、その行動を止めることもあれば、過剰に行動することもありますから、それがどこから来ているのか。その背後にあるものを理論から考えたりします。
ーー 行動を止めてしまうのはよくあるかもしれませんが、過剰というのはやらずにいられないということですか?
そうですね。ワーカーホリックとか。それをしていないと不安になってしまう、過剰に頑張ってしまうことや努力する...駆り立てられるような感じです。
ーー そういうことですね。そういうことがわかるとクライアントも自己理解が深まりそうですね。受講生の方はどんな反応をされていますか。
「心理学を知っていたら今までと違うアプローチができることがわかった」とか「クライアントの課題の扱い方の幅が広がった」とか、「コーチングに必要な心理学だけが効率よく学べた」というご意見をいただいています。クライアントと向き合うときに、背後にあるものを知る大切さを感じていらっしゃるようです。
実際にコーチングを使っている管理職の方などは、「明日からすぐに使える」とおっしゃっていました。コーチングをしながら、行動目標以外にクライアントを丸ごと見て焦点の当て方をちょっと変えていけるようなエッセンスを皆さん感じ取ってくださっている気がします。
ーー コーチングの対話からさらに、言葉に現れないところに目を向けるということですね。クラスはどんなふうに進めているのですか。
まず理論をお伝えして、それを元にワークに取り組んで、グループでディスカッションして、コーチングの演習もやります。3つのステップを上がっていくプログラムで合計30時間ですが、皆さん、「あっという間に時間が経った」とおっしゃっています。まずファーストステップでは自己理解を深めます。GCSで学んだことがさらにわかるようになっています。セカンドステップで自分のこともクライアントのことも理解できるように組み立てています。サードステップではコーチングをどう進めていくか。タイプ別、テーマ別にクライアントの見立てをできるように作っています。そして更にメンタルヘルスについても学べる講座を準備中です。せっかくGCSでコーチングを学んでいるので、ワンストップで心理学やメンタルヘルスも学べるようにしっかりやりたいと思います。
ーー 続けて学べるとよいですね。井上さんがこの講座を始めてから、ご自身の気づきや変化などは何かありますか。
最初は、私なんかがこんな講座していいのかしらって思いもあり、試行錯誤ししながらやってきました。始めた頃はモヤモヤと悩んでいました。でもそのときに『コーチング心理学概論』という本を読んで、こういうものが世間にはあるんだってことがわかりました。本の中で「コーチも精神疾患やメンタルヘルスの知識は必須であり、必要に応じて専門家へのリファーを行うことができれば、コーチングを実施したことでクライアントの問題が悪化してしまうといったことが予防できる」と書かれていました。(ナカニシヤ出版 コーチング心理学概論P58より引用) |
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Profile 井上 礼子(いのうえ・れいこ) コーチ |
銀座コーチングスクール神戸校代表 GCSプロフェッショナル認定コーチ ICF認定コーチ(ACC)、 公認心理師(国家資格)、 産業カウンセラー・キャリアコンサルタント 日本カウンセリング学会・日本交流分析学会会員 大手食品メーカーにて経理部、お客様相談室での顧客対応、メンタルヘルス&コーチング研修講師を経験し在職中に大学の心理学科を卒業。自分自身を掘り下げることに興味を持ち、NLPやコーチングの勉強を重ね、現在は企業・自治体などでカウンセリング・コーチングを提供している。GCSでは「コーチのための心理学講座」を担当。双子を含む3人の男児の母親として育児にも奮闘中。2012年GCS認定コーチ資格取得、2014年よりGCS認定講師として活動。 [井上 礼子コーチの担当クラス一覧] |
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