Coach Interview - 邑本 なおみ コーチ(前編)金沢校講師

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「母と子」は最初に出会う人間関係

 子どもの自己肯定感を育むキッズ支援から母親へのサポートまで。最初の対人関係「母子」に焦点をあてた邑本さんのダイナミックな活動をうかがいました。
(聞き手:山上 晴美コーチ)

インタビュー

大人と子どもへの支援

ーー 金沢校の講師の他にはどんな活動をされているのですか。

 ニート支援の公的機関があって、なかなか一人では就職活動ができない方のカウンセリングやコーチングをしながら仕事に就いていただく仕事をしています。

ーー ニート支援ですか。その方々にコーチングもしているのですね。

 そうです。担当のクライアントさんが何人かいて、3カ月とか半年とか長い方で1年ぐらい支援をさせていただいて、お仕事に就いた後も定着支援という形でまたサポートさせていただいています。

ーー 元々キャリアカウンセリングの仕事もされていたのですか。

 はい。 コーチングを学んでいる時にクラス A のテキストに、カウンセリングとコンサルティングとコーチングの違いというのがありますね。でもあれだけではどう違うのかがよくわからなくて、認定試験を受けた後に産業カウンセラーの資格とキャリアコンサルタントの資格も取りました。毎週1年ぐらい通って結構時間がかかりましたが。

ーー コーチングはいわゆる一般の方に対してですが、ニートの方への支援をしてどんなことを感じますか。

 社会的な問題と言うか、コーチングは教えないという前提で、本人が気づいて動いていかないと本当の自立には向かっていかないですよね。その前提があるけれども、質問しても答えられない人も大勢いるので、すべてがコーチングで賄えるものではないと感じました。

ーー コーチングで賄えない部分があるということはティーチング的なことも必要ということですか。

 そうですね。ニートの方々の多くが20年とか30年積み重ねてきた思考パターンみたいなものがあるので、それに気付いて変わっていくにはコーチングだけではなかなか厳しいと思います。

ーーニートから脱して社会に出て、上手くやれるようになった方もいらっしゃると思うのですけれども、どんな変化があるのでしょうか。

 社会に出ることのイメージが何か怖いものと言うか辛いものと言うか、いいイメージがない状態です。そんなことないといくら言葉で言っても伝わらないので、ご自身で体感してもらうことが一番だと思って職場見学や職場体験をしてもらっています。そして短期のアルバイトに行ってから、もう少し長めの仕事に就くとか、スモールステップを踏んで「こわくないよ、大丈夫だよ」って安心感をもってもらうという感じでやっています。

ーー 仕事に就いてからはどのような変化があるのですか。

 最初に来られた時は目も合わせられない感じだった方が、働きに出られると、同じ人ですかというくらい表情や雰囲気、話し方まで変わる人もいます。社会に出てその中で揉まれてすごく成長されたというのを感じます。社会に出るってすごく大事だと思いますね。

ーー 本当ですね。そしてやりがいのある仕事に出会うといいですね。

 そうですね。ただ、自分が本当にこういう道に進みたかったんだと気づき、進める人というのは本当に一握りです。

ーー なるほど。一般の方でも本当は別のことをやりたいのだけど進められないという方が結構いますね。

 自分の可能性を信じられない人が多いですね。コーチングを学ぶと可能性は無限なんだなって思えるんですけれども。希望が持てないとか、ワクワクするとか自分がやりたいことは何なのかわからないという方が多いのでそういう方には是非コーチングを学んで欲しいですね。

ーー その他にはどんなことをされているのですか。

 「キッズ☆クルー」という、子どもの自己肯定感を育んでいくコミュニケーション団体を運営しています。今年は25周年で、私が代表になってから15年になります。「遊び」と「演劇」という二つのツールを使って、小学3年生から中学2年生までの子どもたちが遊びの中で人との距離感とか仲間づくりをしていき、関係性のベースができてきたところでお芝居の稽古をして最終的に 3月に演劇公演をします。子ども達は遊びが楽しいからお芝居をする気がないっていう子もいるんですけれども、表現遊びの中から少しずつ移行していくから最後は自分も出るって意思表示をしてみんなが舞台に立ちます。

ーー 演劇は自己解放やコミュニケーションに役立ちますね。そういうことが教育現場にももっと広がるといいですね。

 そうですね。演劇は役を通して、どういう気持ちでこの台詞を言うのか、どういう風に反応するのか、という感じで人の気持ちを考えるということをやっていきます。そして一つの舞台をみんなで作り上げるので誰か一人でも欠けてしまっても本番ができなくなってしまう。自分も大切な一人だし、仲間も大切な人だという思いがいつのまにかぎゅっと一体感として生まれてきます。本番が終わった時も拍手をもらって「よかったよ」って言葉をかけられて。かけられることで自己肯定感が上がって成功体験につながります。

ーー どんな演し物をやって、何人ぐらいの方に観ていただくのですか。

 オズの魔法使いとか知られているものが多いですが、何年かに一回はオリジナルのものもやります。例年ならば600人の方に観ていただいていましたが、今年は人数制限で250人でした。でも去年はコロナで中止になったので、それを思えば公演ができただけでもありがたいですね。

ーー 大勢をまとめて大規模な公演を実現させるというのはパワーがいりますね。600人動員するのもすごいことだと思います。

 講師たちがいろいろなところで活躍している現役の演劇人なのです。その人達に舞台作りをお願いしていて私はあくまでも裏方で運営の方をやらせてもらっています この活動は子ども達にとって、本当の自分を出せる場としてすごく大切な場所になっていると思うので、長く続けていきたいと思います。

インタビュー

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Profile
邑本 なおみ(むらもと なおみ)コーチ
GCS認定講師
GCS認定プロフェッショナルコーチ
子ども達の好奇心や遊び心をくすぐり、コミュニケーション力を上げて自己肯定感を育むキッズ☆クルー代表。自身の子育て失敗経験を元に、親のココロを育てる「親育(おやいく)講座」を開催。ニート支援をする中で、人が成長するには、周囲の関り方が大きく影響していることを痛感する。(5年間で2,000回以上のセッション実績)他人軸ではなく、「自分軸を育てる関わり方」を伝えたいという想いで、2017年~銀座コーチングスクール金沢校講師となる。

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