Coach Interview - 嶋崎真紀 コーチ(後編)名古屋校講師

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誰でも最初は一年生

 学校では1日中ひと言も話さない静かな小学生だったという嶋崎さん。コーチングに出会ったことで自分でつくっていた自分像から抜け出したら、可能性だらけの世界と出会ったというお話をうかがいます。
(聞き手:山上 晴美コーチ)

インタビュー

想像もしていなかった自分を発見

ーー そのような気づきを職場ではどんなふうに使いましたか。

 会話の中で、部下が自分のことをたくさん話してくれるようになって関係性がすごく良くなったことが大きかったです。プロジェクトチームでは同じような悩みを抱えている人たちが本当にたくさんいるんだってわかりました。みんなどうしたら部下が成長できるのかって真剣に悩んでいるんです。コーチングというスキルがあることを伝えたらそれを知りたいと。じゃあこのプロジェクトでやってみようって、突き進めて行けるところまで行ってみようってみんなで盛り上がりました。

 クラスDが終わってから認定試験を受けないまま、部下との面談にコーチングを使ったりしていましたが、やはり社内でももっと広げていきたいと思ってプロジェクトチームの中でコーチング導入の提案をしてみたんです。
 そうしたら「なんか資格を持ってるの?」って言われたんです。「学んだけれども資格はまだないんです」って言ったら、「じゃあだめだよね」ってあっさり言われてしまいました。それで資格を取ろうと決めて、名古屋校の勉強会に参加して受験しました。勉強会では参加者の皆さんからのエネルギーをものすごく受けて、話しているうちに会社の中だけでなくさらにもっとたくさんの人に広めたいって思うようになりました。
 それからクラスアシスタントに入り、様々な受講者様とお会いする機会が増え、講師とその受講者様との"共に学ぶ関係性"に刺激を受けそこから講師になりたいと強く思い始めました。

ーー 講師になるとは思ってもみなかったのに、指導してみてどんな感じでしたか。

 今までの自分だったら想像もできない姿なんですけれどもすごく楽しかったです。それまでは人前で喋るとか本当にできなくて、小さい頃から学校でも一日中一言も喋らなくて、そういう自分をいつか変えたいって思いながらも結局変われない自分がいました。
 学校の先生ごっこで私が先生になって「じゃあ今日は国語の時間」とか言って妹の友達の前に立ってやってたんですけれども、それが楽しくてしようがなかった。そこが根底にあるのかもしれません。
 コミュニケーションは生まれ持ったものももちろんあるかもしれないけれども、学べばできるようになるかもしれない。やれたって感じた時の感情とか、それをどうやって今後につなげていくかってことを考えて、感情、思考、行動をぐるぐる回していくことで自分が変わったのだなと実感しています。
 クラスは、皆さん、いろいろな立場で様々な想いを持って来られるんですが、基本的に同じところで悩んでいらっしゃいます。「話を聴いてあげるだけではなくて、背中を押してあげる人になりたいんです」っておっしゃる方が多いのです。私もそう思うことがあったので、みんな私と同じように思ってるからこそ、ここに来られてるんだなって思います。

ーー仕事をしていて、どんなシーンで達成感とかやりがいを感じますか。

 管理職を対象にした企業研修で、「私は管理職になったこともなければ、そういう立場になったこともない。そういう者がお邪魔して今から研修をやります」って、誰も何も聞いてくれないんじゃないかと思ったんですけれども、「私がお伝えできることは会社員の経験があって、上司の関わり方や声のかけ方や上司としてのマインドが、部下のモチベーションに繋がるという経験をしてきました。そういうところから今回の研修をお伝えしていきたい」と話した時に、「今まで受けてきた研修はどちらかと言うと一方的に講師の方がこうやれと言うのが多かったけれども、そういう立ち位置の方から学んだことだからやってみようと思って、今チャレンジしている」というような声を聞きます。研修が終わった後もメールを頂いたりしてすごく嬉しいです。
 研修して終わりというだけではなくて、何か一つ継続して意識してされていることがあったんだと思うと本当によかったなって思います。

インタビュー

やりたいかやりたくないか。楽しそうかそうではないか。

ーー うれしいですね。今は会社を辞めて独立して、以前のご自分とは大きく変化して想像もしていなかった仕事をしている。そのような状況をご自身の人生という視点で振り返ってみてどんなふうに感じますか。

 自分はできないとか思ってた部分があったんですけれども、それは勝手に自分で作っていた自分で、とらわれすぎていただけでした。実際にやる時は怖かったり失敗したらどうしようって思いももちろんありましたけど、あれこれ考えてやらないよりもやってみて失敗したら別の方法を考えればいいんだって思えるようになりました。そこがすごく変わったと思います。会社員の時もやりがいを持って楽しく仕事をしていましたから、あまりいやだとかいう思いはなかったんですが、こうでなければならないとか、私はこうしてるんだからあなたも同じようにするべきだとか、私はこんなに頑張ってるのにとかの思いもあって苦しかったですね。
 でも今は、フットワークが軽くなったことがとても大きいです。前はすごく重くて石橋を叩いて叩いて渡るタイプでした(笑)。今はこれ楽しそうと思ったらパッとトライしてみたり、この人に会ってみたいと思ったらすぐにアポを取って会いに行ったり。フットワークが軽くなったらいろんな人にお会いできるようになって視野やご縁が広がりました。

ーー 自分で作ってしまった自分像から抜け出るためには、まず最初にどうしたらいいと思いますか。

 コーチをつけるというのももちろんありますけれども、それだけでなく自分が本当にやりたいかやりたくないか。楽しそうかそうじゃないか。好きか嫌いかでもいいと思うんですけれども。稼げるとか稼げないとかではなくて、自分がやってて楽しい事はなんだろうってことを選んでいった方がいいと思います。
 自分がやりたいことやできることがわからない方がいらっしゃるけれども、まずは自分が楽しいのはどっちだろうって、それを繰り返して行ったら何をやりたいかっていうのが少しずつ見えてくるんじゃないかと思います。皆さん本当はいろいろなスキルを持ってらっしゃるはずなのに使えていないように感じます。なかなかそこに気づかないみたいです。

ーー 自分がワクワクしたり楽しいことを追いかけることがいけないみたいなのがどこかにあるのかもしれないですね。もっと厳しいものやらなくてはとか。

 小さい頃、やりたくない宿題はやらないけど、やりたいことは勝手にやりますよね。大人になるといろいろなことが邪魔をしてやれない状況を自分で作っちゃってるんだと思います。「楽しそう、やってみたい」と思ったらやってみたらいいんです。うまくやろうとか、完璧にしようと思うとなかなか動けないと思います。  そんなとき私は「ドキドキドン!一年生」という曲を思い浮かべます(笑)。歌詞のなかに「誰でも最初は一年生。ドキドキするけど、ドンといけ」という言葉があります。聴いていてワクワクする曲です。初めてのことにトライする時などに聴いてみることをお勧めします。

ーー ― いいですね。単純にそして純粋に好きかどうかだけですね。そこからスタートして誰もがやりがいのあることを見つけてほしいです。楽しいお話をありがとうございました。

インタビュー

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Profile
嶋崎真紀(しまさき まき)コーチ
GCS認定講師
GCSプロフェッショナルコーチ
宮崎県出身。10年以上美容・アパレルなどの接客販売を経験し某ファストファッション業界では入社1年目からCSリーダーとして活躍。現在は企業研修講師として接客販売員・営業職に向けた顧客との信頼関係を構築し、ニーズを引き出す「接遇コーチング」を使ったスタッフ育成や、職場のパフォーマンスを上げるための「接遇コミュニケーション」を取り入れたリーダー育成研修などを行なっている。

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