Coach Interview - 山本 カオル コーチ（前編）

　香川、愛媛、高地、徳島の四国校の代表で、研修、コーチング、コンサル会社の経営、発達障害の方々のサポート等をしている山本カオルさんに、ご自身が体験した前職の職場での問題から、独立起業、現在の四国エリアを統括する地方校運営までの、たいへん興味深いお話をうかがいました。
（聞き手：山上 晴美コーチ）

ーー コーチングとの出会いも含めて、山本さんの現在の活動をお聴かせくださいますか。

　20年くらい前に、雑誌『日経ウーマン』で、コーチングがアメリカから上陸という記事を読んで初めて知りました。とても興味をそそられたけれど、当時はコーチをつけることは贅沢だと思ってあきらめていました。その後、初めての出産が難産で、しかも勤めていた職場での部下管理に悩んでいた頃にコーチと出会いました。当時上司からは「家庭や仕事の悩みを部下に見せてはいけない。子どもの体調が悪くても一切言うな」などと言われていたので、子どもが病気で入院したときも部下に伏せて、看病している病室から何食わぬ顔で会社に通うような状況でした。コーチングについては本でも読んでいて、「コーチは、可能性はきっとある。答えはあなたの中にあると信じて接してくれる」とあったので、そんな人がいたらどんないいいだろうと思っていました。そのコーチのセッションフィーは高額でしたが、思い切ってお願いしたのです。何しろ、初めての出産と職場の問題が重なって、本当にどうしていいかわからなかくて追いつめられていたんです。

ーー 初めてのコーチングで、山本さんご自身はどんな変化がありましたか？

　そもそも、私は自己肯定感が低くて人間関係が苦手でした。でもコーチに話せることで楽になったことが一番よかったです。セッションの最初の方は愚痴ばかりでしたが、話しているうちに気持ちが軽くなってきました。そうすると状態を客観視できるようになって、客観視できると、必要な打つ手を考えられるので、現実的に成果が出てきたのだと思います。具体的には、部下たちが元気になって、高かった職場の離職率を低下させることができました。それがベースになるので接客力も高くなって、みんなが信頼し合って仕事ができるようになったことが大きいです。以前よりも職場が心地よくなったんだと思います。やがてフランチャイズの中で売り上げが日本一になりました。

　主人には、どんどん進化していると言われたりします（私自身は自覚がないですが）。コーチングにうまくいってもいかなくても両方から学べるってありますね。失敗しても立ち直りが早くなって、挑戦することに恐れがなくなったことも大きいですね。コーチングを学んでからコーチをつける人が多いかもしれないけど、私の場合はコーチをつける方が先だったんです。主人もコーチングを受けているんですが、諦めていた夢の職種に就くことができました。家族もコーチングの効果を確信しているので活動しやすいです。

ーー GCSとの出会いはその頃ですか？

　起業するにもノウハウがなかったので、退職して週末起業フォーラムに参加しました。ちょうどその頃、当時のコーチの勧めでコーチングについての小冊子を書いたんですが、それを見せながら起業の相談をしたのが、GCSの元代表の森さんです。小冊子の添削もしてもらって、完成したものを7人に見せたら４人がセッションを申し込んでくれて、一人がクライアントを紹介してくれました。それが個人セッションを始めたスタートです。森さんからは起業についての的確な指導もしていただきありがたかったです。そのご縁で香川校を開校することになりました。

ーー その後、独立されるわけですが、どんな想いがあって会社を退職したのですか？

　そのとき、会社にコーチングを入れて人財育成をしたかったんですが、会社の方針としては、そんなことをしても意味がないと。コストをかけて人を育てることはよしとされなかったんです。なので、けんかして辞めました（笑）。でも、ありがたいことに、最初のクライアントがそこの部下だったんです。在職中に職場にコーチングを入れていたので、辞めてからもコーチとして関わってほしいと、部下たちが社長をファミレスに呼んで5間説得したそうです。