Coach Interview - 野﨑惠子 コーチ(後編)

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「きれい」に関わる人たちに光をあてる

 美容系の会社で、さまざまなジャンルの技術者たちに接客を中心とした指導をしている野﨑さん。コーチングを取り入れるきっかけや人を育てる楽しさ、やりがいなどをお話いただきました。
(聞き手:山上 晴美コーチ)

インタビュー

高いレベルのコーチングと出会って見えてきたこと

−そうでしたか。接客も奥が深いですね。それでGCSで学ぶことになったのですか?

 はい。いろいろ探しましが、前からの友人である事務局の木村伊澄さんから、体験講座もあるからと勧めてもらい、それならと軽い気持ちで行ってみました。2011年の初め頃。平日の夜に行きました。そこで初めて会話の練習をして、やってみようという気になりました。

−順調にクラスに進んで、卒業してからはどんな変化がありましたか?

 最初の頃は、人が話す言葉に気をつけるようになったのはもちろんですが、自分がクライアントを得てコーチングの仕事をするようになってからより身について来たような気がします。

−ICFの資格も、早い段階で取得したと伺いました。

 はい、ずいぶん前にACCを取得しました。ICFのコーチたちの集まりがあると言うので参加してみて、そのコーチたちのセッションのレベルの高さに驚いたんです。それまでは自分では結構いい(セッション)と思っていたんですが、そのコーチたちのセッションを見てランクの高さをまざまざと感じたんです。質問の内容が全然違っていました。それで、あの位置に立ちたいと思って勉強しました。勉強会でもサポートしてもらったので、今出させてもらっている勉強会で逆に私からもサポートできたらいいと思っています。

−お店のお客様への対応はどんなふうになりましたか?

 その後移動して婚礼の方に行ったので、今度はチームワークという課題がやって来ました。新郎新婦の話を聞くのですが、そこで小さな違和感を感じることもあります。何かちょっと気になっていることがあるなとピンと感じることがあって、それをお花屋さんやプランナーさんたちと話すと同じように感じていたと言います。全員が感じているから何かあるんだろうな。気をつけていこうねっていうことになります。

−ものすごく繊細なところをキャッチして共有するわけですね。

 はい。人生の中で最大の、しかも自分でできるイベントで高額ですから。やはり神経を使っています。「初めてお会いしてから、無事に結婚式が終わりました」というところまでが仕事です。それで各部署が関わって、会場をセッティングする方やシェフなど大勢の方が関わりながらもどこも外すことはできないので、少しでも違和感を感じたら情報共有をします。

−ご本人からしたら、きっと明らかになってないことがあるのでしょうね。それが何かわからないけど進んでしまうような。

 そうですね。できちゃった婚もありますし。新郎が若いと新婦の気持ちがわからないとか(笑)。恋愛期間はいい状態だったけれど、結婚式を挙げるのには決めないといけないことがたくさんあるので、そこで相手のことがわかったりもします。見たことのない姿を見てしまうとか。人生ってすごいなってところを見させてもらいました。

−コーチングスキルについては、明らかにこういうことができるようになったということはありますか?

 人間関係を作るのが早くなって得意になりました。細かいところに気がつくようになったりもしました。あとは、どこが足りないかとか何を足すかということがよくわかるようになりました。

 ウェディングカウンセリングをするカラリストの研修をすると、色を見ることができるけれどウェディングやホテルの情報を持ってないとか、接客の経験がないような方がいます。それは本人が気づいていない微妙な身体の動きや言葉遣いなどでわかります。それをホテルのレベルまで持っていきます。お客様から見たらそこのホテルのスタッフに見えるので、ホテルレベルの対応ができるようにということです。

−そこではメイクの指導をするのですか?

 はい、します。テクニックというよりはどこを控えめにするかです。ちゃんとメイクはしているんだけど主役ではないので。ホテルのスタッフに見られたとしても違和感がないようにします。そこを理解できるとするっと行きます。

−どの業界もそうだと思いますが、外から見ただけではわからない工夫や苦労があるんですね。コーチングを学んでから野﨑さん自身の変化などはありますか?

 いろんな自分を認められるようになったということですね。30代半ば過ぎまでは自信がない状態でしたから。コーチングと出会って自信を持てるようになったのは間違いないです。恥ずかしがり屋で、目立ちたいのに目立ちたくない。常に自信がない自分がいる。それ自体も嫌という感じでしたが、コーチングで「大丈夫だ」って自分に言ってあげられるようになりました。

インタビュー

腕のいい技術者を世に出す

−これからトライしていきたいことは何かありますか?

 最近、改めて感じていることなんですが、美容系の会社で裏側のこともたくさん学んできて思うのが、技術を持った方で接客が必要なお仕事、美容師さん、ネイリスト、エステティシャン、マッサージをしている方とか大勢いらっしゃいます。その方々の中には、腕がいいのに売れないという方もいらっしゃるし、性格が良くても技術がないと難しいということもあるし、そういう技術系の方達にコーチングをしていきたい。それを会社から変えられたらいいなと思います。裏方を知っているからできることが多いと思います。コーチングを学んだ時に、どんな方にでも対応できますって言われて、確かにできるんですけれど、ピンポイントで細かいところになってきた時の感情の捉え方など、知っているからこそできることもあると思います。そこをサポートしていきたいと思っています。

−腕がいいのに売れないのはもったいない。ちょっとしたことなのでしょうね。

 喋りすぎるとか。そういう方は店長がどう指導していいかわからないのです。なので、私の方でお店ごと指導できればいいと思っています。

−何社か転職をしたということですが、野﨑さんが、この分野の仕事に進んできた、その原点みたいなものはどこにあると思いますか?

 私は美術系の大学でテキスタイルデザインを専攻していて、最初の仕事は服の柄を作っていました。ですから生地屋さんで仕事をしてからパーソナルカラーの勉強をして、服の販売をしたりしていて、結構それが得意だって気づいたんです。そこから転職しようと思った時に、いくつかの選択肢の中に美容系の会社がありました。意図してないのにたまたま始めた仕事だったのが今も続いています。ジャンルが違っても私の中で一本筋を通しているのが「きれい」だってことです。

−「きれい」が一本の筋なんですね。現場でコーチングを活かしているということですが、何か未来に向けて思い描いているようなことがあったらお願いします。

 会社ではコーチングを取り入れることがないので、部署の中で面談や勉強会のときなどコーチングを生かして使っています。社外ではパーソナルコーチングですが、これからは美容系のコーチとして絞ってやっていくのがいいのかなと考えています。

−それはいいですね。絞れば絞るほど専門性が高まりそうです。これからも「きれい」を作るプロの方々がさらに輝くような、野﨑さんならではの活動を楽しみにしています。ありがとうございました。

インタビュー

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Profile
野﨑惠子(のざき・けいこ)コーチ
GCS認定プロフェッショナルコーチ
国際コーチング連盟(ICF)Associate Certified Coach(ACC)
7回目の転職で美容業界へチャレンジ、それから19年。色と美容、そしてブライダルのスタッフ育成、研修などをおこなう管理職。毎朝のマインドフルネス冥想を続けて15ヵ月。心の平穏をも作れる、美容業界の心豊かな人材育成をしています。
趣味はコーヒー焙煎店とカフェめぐり。SNSではニックネーム〈海ちゃん〉で活動中。
お客様の声⇒ https://www.reservestock.jp/randing_pages/user_recommend/4981

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