Coach Interview -池田佳奈子 コーチ（後編）

　転職して好きな仕事に就いたものの、管理職としてチームをまとめる難しさに直面した池田佳奈子さん。コーチングを取り入れてそれまでの方法を変えたら、人もチームもどんどん変化していったそうです。その経験からこれを深め広めるために法人を設立して起業。そのチャレンジの話を伺います。 （聞き手：山上 晴美コーチ）

−今の延長でも新しい分野でも、将来手掛けていきたいことなど未来のビジョンはお持ちですか？

　ビジョンとミッションは明確で、ビジョンは「ポジティブな変化で溢れ続ける世界をつくる」ということを会社としても掲げています。ミッションは「あり方と関係性の探求を通して、人と組織がポジティブな変化を起こし続けるエネルギーを引き出す」としています。その背景にあるのは、自分自身が心身の不調で辛かった経験や管理職になった時にうまくできなくてメンバーが辞めてしまったことへの反省でもあります。
　自分らしくイキイキと人生を選択して行動を起こしてワクワクする生き方。本当のありたい姿を見つけると人はグッとエネルギーが増す。そうするとびっくりするような成果を上げるということをクライアントや私自身の体験を通して実感しています。そういう人を増やしたいし、そういうふうに生きていくことが当たり前の世界を作りたいです。

−ではさらに広げて、思い描いている夢のようなことがあったらお聞かせください。

　ちょっと恥ずかしいですが２つあります。
　一つは、日本全国からリーダーが集まって語り合い引き出し合う対話集会をやること。コーチング的な関わり方や私のスキルやリソースを活かして多様な人がお互いに学び合ったりする。コーチとクライアントはお互いに刺激を与え合う関係ができているように、いろいろな人と対話をすることで自分が当たり前だと思っていた固定観念が外れるとか、それがきっかけになることがある。
　面白いテーマで多様なリーダーが集まって深い対話をする場作りができたらと思います。もう一つは既に動き出しているのですが、地元の山形県の上山市にある蔵王坊平高原というところがあって、自然が豊かなところです。その場所を様々な形で企業に利用していただくためのプロジェクトを地元の方と進めています。研修ができる部屋や宿泊施設はもちろん、心身のリカバリーができる森林浴や温泉もあります。そこで対話をしたり、自然の中でぼーっと過ごしたり、焚き火を囲んで話したりと、日常から離れて内省を深められる場所です。自分を振り返って職場に帰ってどんなアクションをとっていくかとか。その環境をさらに広げていって活性化させたいと思っています。

−それはいいですね。以前会社員の時に味わった苦労から現在はご自分のペースで仕事ができて、今を俯瞰したらどんなことが見えますか。

　そうですね。過去にいろいろなことがあったから今の私があると思うのですが、今が一番充実しています。自分で会社をやるということは、関わってくれる方への責任もありますし、もちろん大変なことです。そのために、コーチングで大事にしている、目指したい姿やビジョンを明確にしていて、そこを具体的にすることがすごくエネルギーにつながると思います。
　ずっとコーチをつけていて、引き出してもらって、目指す方向への確信が持てて、会社を立ち上げたのも当時のコーチから背中を押してもらえたからです。
　「今やらないならいつやるの？」とか（笑）
　「やらない理由は？」と聞かれた時に、やらない理由は特にないと気づきました。
　そんなふうにコーチに後押ししてもらいながら、今もやりたいことに向かってやり続けられていると思います。

−うかがっていると池田さんから行動の力を感じます。最後に、ご自分の強みはどんなことだと思いますか？

　強みで言うと情熱です。高いビジョンを掲げてそこに向かっていく突破力があると言われます。もちろん、家族、仕事仲間など周りの人のおかげでもあるし、GCSで出会った仲間たちの影響も大きくて、今もお互いに応援し合える関係ができています。やはり人との関係が大きいです。

−本当ですね。そして、情熱と突破力を発揮して、たくさんのことを突き抜けていってください。どうもありがとうございました。