ネガティブケーパビリティと心理的安全性の関係
ネガティブケーパビリティ(Negative Capability)とは、19世紀のイギリスの詩人ジョン・キーツが提唱した概念であり、この言葉の意味は、不確実な状況や疑問があっても、イライラしたりせずに現実を受け入れる能力のことを言っています。
このネガティブケーパビリティと心理的安全性は密接な関係があります。心理的安全性とは、人々が自分の意見や感情を自由に表現し、間違いを恐れることなく率直にコミュニケーションできる環境であり、ネガティブケーパビリティは、不確実性や疑問にしっかりと向き合う状況を言い表しています。
心理的安全性が高い環境では、個人が自分の考えや意見を表明することに対して恐れや不安を感じずに済みます。これにより、ネガティブケーパビリティを持つ人々が、個人が感じた疑問や考え、アイデアを出し合い、チームや組織全体の創造性を高めることができるでしょう。
逆に、心理的安全性が低い環境では、個人は自分の考えや意見を抑えてしまいがちです。 恐れや不安を抱えている状況は、考えや意見を抑えるだけでなく、職場環境においてミスや挫折を誘発したり、新たなアプローチやアイデアの提案が少なくなり、結果的に創造性や革新性が失われる可能性がでてきます。
あなたの組織やチームはどのような環境になっているでしょうか?
組織やチームが心理的な安全性を重視し、ネガティブケーパビリティを育むことは、多様性豊かなアイデアや視点を引き出し、創造的な問題解決や革新を促進する重要な要素となります。不確実性が高い現代においては、残念ながらリーダーの考えがすべて正しいとは限りません。もちろん部下の考えも正しいとも限りません。部下を育成する上で、部下自身が自らの能力を最大限に発揮することを望むのであれば、まず部下が感じる疑問や考えを受け止め創造する力を育てましょう。そのためには、部下の考えを評価・否定を含まずに傾聴し、部下自身が答えを見つけられるようなサポートする関わり方が求められます。
コミュニケーションスキルだけでなく、円滑なコミュニケーションが進む環境づくりにも意識を向けてみましょう。