従業員満足度とエンゲージメントの大きな違い
最近、人事・育成関連のキーワードとして、
「エンゲージメント」という言葉を
よく耳にするようになりました。
エンゲージメントを辞書で調べてみると、
「婚約」「誓約」「約束」「契約」
などの意味を持つ単語として紹介されていて、
従業員が愛社精神を持つことや忠誠心を誓うことをイメージしがちですが、
従業員満足度とエンゲージメントには下記のような違いがあります。
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従業員満足度の焦点:現在と過去に対する従業員の満足度評価
エンゲージメントの焦点:未来に対する従業員の貢献意欲評価
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従業員満足度からエンゲージメントに意識が向くようになったのは、
一説には、従業員意識調査の結果として、
「満足度が上がると業績が上がる」
という検証結果が得られなかった、ということがあるそうです。
そして、1990年頃、当時GE(ゼネラル・エレクトリック)を率いてたジャック・ウエルチは
企業が中長期的に勝つために、
満足度ではなくエンゲージメントを重要視する発言をしています。
こんなケースが事例として考えられますね。
部下に昇格を促しても、
今の状況に満足しているので、これ以上責任を負いたくない、、
というのは「満足度」は⤴でも、
「エンゲージメント」は⤵ですよね。
ではエンゲージメントを高めるには、何が必要なのでしょうか?
どの企業にも組織のミッション・ビジョン・バリューがあると思いますが、
そのミッション・ビジョン・バリューが経営者のみならず、
従業員にとっても魅力的に感じることが大切ですね。
魅力的に感じるには、言葉として掲げるだけでなく、
理解・定着が必要です。
ウイリス・タワーズワトソン社ではエンゲージメントを
『会社・組織が成功するために、従業員が自らの力を発揮しようとする状態が存在していること』
と、しています。
そのエンゲージメントには重要な3つの要素が含まれています。
①理解度:会社の進む方向性を具体的に理解、腹落ちし、それを支持できる。
②共感度:組織(同時に仲間にも)に対して、帰属意識や誇り、愛着の気持ちを持っている
③行動意欲:組織の成功のために、求められる以上のことを進んでやろうとする意欲がある。
今後、企業が成果を上げるには、魅力的な未来・方向性を掲げるだけでなく、
その未来について企業側および従業員側が理解をしあう対話や姿勢が必要なのではないでしょうか。
そして、昨今の1on1ミーティングでは、部下自身の行動意欲と企業の未来をマッチングさせることが、
リーダーの役割でもあると思うのです。