何をやっても無駄、努力しても報われないことを学習する環境
先日、部下のモチベーションを上げるにはどうしたらいいだろうか
と、研修を受講された管理職の方からご相談を受けました。
部下の意欲や部下のいいところを伝えたり、ほめたり、
強みを引き出そうとするけど、なかなか伝わらない。
それどころか、意欲のあげられない部下に対して、
イライラして責めがちな関わり方になっているのかもしれませんね。
それはすべて部下に原因があるのでしょうか。
部下のやる気を引き出すのに時間がかかるケースには、
「学習性無力感」が影響している可能性があります。
「学習性無力感」とは、
何をやっても無駄、努力しても報われないことを学習した状態です。
職場で学習性無力感に陥る状況を作ってしまうのは、どんな時でしょうか。
部下は最初からモチベーションが下がっていたのでしょうか。
入社した当時や配属されたときは仕事を早く覚えようとしていたり、
周りの役に立ちたいと努力したり、役に立ちたいからこそ意見を述べていた時期もあったかもしれません。
そのような頑張りや努力に対して、部下の思いや気持ちを受け止めることなく仕事を進めていくと、
「何をやっても無駄」「努力は報われない」
を学習することになるのです。
もちろん部下の思い通りに仕事を進めることはできないでしょう。
会社の考えがあったり、お客様のニーズがあったり、
期限内に無理な成果物を求められることもあるでしょう。
そのような時に指示したとおりに仕事を進めることを当たり前にせず、
その業務の収束を見て、感謝やねぎらいの言葉があれば、
困難なことや、厳しいと思い込んでいたことも、
やってみたからこそ理解できた満足感、達成感、充実感等を学習することができるのです。
モチベーションを上がらないのは、無力感を学習している可能性があります、
無力感ではなく効力感が学習できるような関わり方を試してみましょう。
ほめるだけでなく、常日頃から感謝や労いの言葉を使っていきましょう。