「返報性の法則」から考える職場の関係作り
その原理は、人から何かをしてもらうとお返ししたくなることなので、
セールスやマーケティングだけのテクニックではありません。
職場における人間関係においても無意識働いている心理作用と言えます。
例えば、セールスで考える「返報性の法則」は、
試着をして店員さんにいいところを褒められたりしてお返しの気持ち出てきたり、
普段は10万円の商品だけど特別に2万円で購入できると聞いて心が動いて
購入を決めたりすることに使われたりしています。
「お返し」を得られる効果(返報性の法則)については、
心理学を知らない人でもどこかで体験しているのではないかと思います。
この「お返しの効果(返報性の法則)」を、部下やメンバーに応用できているでしょうか?
応用できているとしたら、部下やメンバーにどのように活かしているのかを
次に上げる4つのパターンをヒントに考えてみてください。
1.好意の返報性:好意や親切を受けたときに、お返しをしたくなる心理
2.敵意の返報性:不快な思いを感じたり敵意を向けられたときに、同じような感情をお返ししたくなる心理
3.譲歩の返報性:譲歩してくれたから、今度は自分が譲歩しようというお返しをしたくなる心理
4.自己開示の返報性:本心を開示してくれたことで、自分も本心を伝えたくなる(お返し)心理
関係性が良くない、何か上手くいっていないと感じるときは、
「敵意の返報性」が働いているのかもしれません。
「好意の返報性」といっても媚びへつらうことではなく、
感謝やねぎらいの言葉、部下の進歩・成長を見逃さずに声をかけるだけでも
変化が感じられるはずです。
なかなか変化が感じられない時は、相手を変えようという思いが強いのかもしれません。
その思いが強い時は、部下もあなたに変わってもらうことを望んでいます。
部下やメンバーのお返しは、何のお返しなのか?
関係性作りの振り返りに、ご活用ください。