1on1ミーティングが上手く運用できない代表的な6つの理由
1on1ミーティングは文字通り、上司と部下による1対1の対話ではありますが、
多くの企業で行われる「目標面談」「業績面談」「進捗管理」などとは、大きく異なっています。
1on1ミーティングは、あくまでも「部下のための時間」であるということが特長です。
実際、ご相談を受けた企業様の中には、「部下の成長のための時間」として1on1ミーティングを導入され、
そのミーティング内では、目標管理面談のことでも、キャリアのことでも、
仕事の課題についてでも、人間関係のことでも、気持ちの部分について話してもいい時間として活用されていました。
1on1ミーティングを導入する目的は様々だとは思いますが、管理職やリーダーが効果的なミーティングにするには、
部下に焦点を当てて、コーチングやティーチング、フィードバックスキルをバランスよく使うことスキルが求められるようになっています。
このミーティングを何のために導入するのか、どのように行うとうまくいくのかなど、
この仕組みをどのように運用していくかPDCAを作ることが、1on1ミーティング成功のカギとなります。
ただ成功のカギを理解していても上手くいかないことがあります。
以下、上手く運用できない代表的な6つの理由をご参考ください。
【1.】 1on1ミーティングの目的が曖昧。
1on1ミーティングを導入することは決めていても、導入することでどんな成果を手に入れたいのか(目的)が明確化されていないことがあります。
本来はその目的が重要で、共有されるべき内容のはずですが、1on1ミーティングそのものが目的になっていると、導入後は現場任せで終わってしまいます。
【2.】 1on1ミーティングで何をしたらいいか、伝えたつもりになっている。
経営者や人事担当者が何のために1on1ミーティングを導入するか文章や口頭で伝えていても、上司側の捉え方や解釈も様々です。
だからこそ目的が浸透するまで時間がかかるかもしれません。
上司の解釈によっては、部下はなおさら「何のための時間」なのか不安なまま、忙しい上司の時間を予約することになってしまいます。
【3.】 1on1ミーティング運営のPDCAが整っていない。
1on1ミーティングの目的を理解して、しっかり準備を整えていても、思った通りの結果が手に入らないことがあります。
それは上司と部下の相性なのか、いきなりプライベートの話題から入ってしまったのか、上司が部下に対して気になる話題から始めてしまったのか、はわかりません。
目的に沿った対話だったのかも含めて、改善ポイントがわかれば上司、部下ともに有益な時間になります。
【4.】 1on1ミーティングで何を話していいのかわからない。
1on1ミーティングは「部下のための時間」であることはわかっていても、部下自身が何を話していいのかわからなくて、「特にありません」と反応してくることがあります。
部下自身も話したいことはあっても、このミーティング時間で話していいテーマが何なのかわからないことがあるのです。
ただ「何を話してもいいんだよ」だけでは安心できません。
この場が安心して話す場であることを伝えるために、このミーティングの目的や具体的なテーマの事例だったり、
日頃の行いを承認するなどをしながら話しやすい雰囲気を作りましょう。
【5.】 傾聴スキルを使っても、愚痴や不満を聞く場に変わってしまう。
部下が話したいテーマで接していくと、愚痴や不満が中心の話題となってしまうことを課題に抱えている上司の方がいらっしゃいます。
部下の話に耳を傾けることは信頼関係を築くのに重要ではありますが、
上司も部下もその話題から離れることができなければ部下の成長をサポートすることができません。
愚痴や不満を「成長のきっかけ」にするために、コーチングで学ぶ視点を移動させるようなアプローチを活用しましょう。
【6.】 1on1ミーティングを実践してく中で、コーチング「も」必要である。
1on1ミーティングにおける上司の関わり方は、部下の状況に合わせて様々なコミュニケーションスタイルを活用していくことが必要です。
時にはカウンセリングのように気持ちに寄り添うことも必要かもしれません、
意欲があっても、から回っている時はティーチングも必要でしょう。
もちろん、コーチングのアプローチで良質な内省を繰り返しながら、
部下自身が行動を起こしていくようにサポートすることは育成の重要なポイントです。