成果のカギは心理的安全性
米グーグルが2012年に開始した労働改革プロジェクトから、
成功するチームのパターンに不可欠なものが「心理的安全性」と言っています。
例えば、部下やメンバーが
「こんなことを言ったら、また馬鹿にされるんじゃないだろうか」
「リーダーから怒られるんじゃないだろうか」
といった不安を、払拭することを、
心理学の専門用語では「心理的安全性(psychological safety)」と呼び、
この心理的安全性が重要であることを理解しつつも、
具体的に何をしたらいいのか難しさも感じていたようです。
コーチングでもスキルだけでなく、
「ラポール(信頼関係)づくり」を大切にしています。
上司(コーチ)と部下(クライアント)の強固な信頼関係構築は、
パフォーマンスやモチベーションに大きく影響を与えますし、
そもそも上司(コーチ)自身がクライアントを成果や評価だけの視点で接していると
心理的安全性が確保できなくなってしまいます。
ラポールづくりに大切なことは、話しやすい環境を整えることですが、
普段から名前を読んだり、声をかけたりすることも大切です。
また上司自身が自分の考えを伝えたり、自分の経験を伝えたりすることも効果があります。
これは、私自身の経験ですが、営業職だったころ、
なかなか成績が振るわず何度も追加研修を受けたり、
その研修を受けても効果がなく落ち込んでいたとき、
今度は研修ではなく、人事面談でもなく、
支社長面談の案内が届きました。
面談での支社長の第一声は、
「葉山さんはリーダーになれる人だと思っている」でした。
想像していたのは、こんな質問です。
・なぜ、成績上げられないのか?
・なぜ、研修の効果が上がらないのか?
・このままでいいと思っているのか?
上手くいっていない理由を聞かれるのではないかと、
緊張感に押しつぶされそうになったいたと思います。
そこから、支社長が考えるリーダーのあり方について教わりました。
成績が悪いことを経験したとしても、諦めず、そこから成績を上げて、
あの時があったから、今の自分があると言えるリーダーは本物のリーダーになる。
そして、人を育てられるリーダーになる。
その翌月に成績がアップして表彰されたとき、その言葉の偉大さを感じたのです。
部下の物の見方や考え方が、今の結果を生み出しているだけかもしれません。
相手の考え方を押しつぶすような関わり方ではなく、
相手の視点を変えるような考え方、捉え方を提示してみませんか?
今の、あなたは部下のどこに焦点を当てて、関わっているでしょうか?