1on1ミーティングが愚痴を聞く場になってしまう。

コーチングの国際資格を取得して専門性を高めたい管理職/ビジネスリーダーとしてキャリアアップしたい

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 1on1ミーティング(以下、1on1)という上司と部下の1対1のミーティングは、

ヤフーで導入されている人事育成の手法として注目を集めました。


 そのミーティングの目的は、「部下のための時間」。


部下が話したいことを話す時間で、

部下との信頼関係構築や、

部下の成長・モチベーション向上に活かすミーティング。


そのために、最近どんなことがあったのか?困っていることはないか?

不安に感じていることはないか?などの質問で1対1のミーティングを進めていきます。


部下のためを思って、行き詰まりを感じていることがないか、

落ち込んでいることはないかを質問するのですが、

良かれと思って尋ねた質問が、

1on1の場所を『愚痴を聞く場』に変化させてしまうことがあります。

 

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・イレギュラー対応が増えて、困っています。

・時間内に仕事が終わりません。

・●●さんが新しいやり方を受け入れてくれません。

・●●の担当者の理解が足りずに仕事に遅延が生じます。

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「部下のための時間とは言ったけど、そんな話聞きたかったわけじゃない。」

「行き詰まりや困ったことを部下から教えてもらったけど、

こんなことばかりを話してもらうのが1on1なんだろうか?」

と疑問に感じたことはないでしょうか。

 

 行き詰まりや困っていることの原因を聞いて、対処できることがあれば、

ティーチングすればいいのですが、

部下の主観的なとらえ方だったり、いつも同じパターンで行き詰まりを感じているようであれば、

ティーチングどころか、お説教の時間になりかねません。


そんなときにコーチングスキルを活かすと、こんな質問で部下に考えてもらうことができます。

 

例えば、『イレギュラー対応が増えて困っている』場合

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・何に一番困ってる?

・イレギュラーがあっても、困らずに対応できるときって、どんな時?

・過去にイレギュラー対応が増えたときって、どうしたの?

・こんなときだからこそ、見直せることがあるとしたら、何だと思う?

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部下が「困っていること」だけに焦点を当てていたなら、

上司は様々な視点から、その出来事を見てもらうように促します


そうすると、今起こっていることを、冷静に客観的に捉えて、

事実に対する視野を広げたり、新しい見方を発見することができるようになります。

 

上司がコーチングの質問を活かすことで、困ったときだけでなく、

似たようなケースに向き合った時に、この問いが解決の糸口を見つけるヒントになり、

部下の思考と行動を成長させてくれます。


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『最近、部下にどんな質問をしましたか?』



 


(執筆:銀座コーチングスクール横浜校代表・葉山みなみ)