「わからないことがあったら聞いてね」と言っても、誰も聞いてこない職場から卒業するには?

新しい仕事を任せるとき、多くの上司やリーダーは、部下を気遣って「わからないことがあったら聞いてね」と声をかけます。
しかし現場では、 わからないのにそのまま進めてしまい、ミスややり直しが発生したり、 相談が遅く、後処理に追われてしまったり......。
「聞いていいよ」と伝えているのに、なぜ部下は聞いてこないのか。
そして、どうすれば部下が「早めに相談してくれる」職場に変えていけるのか。
この記事では、そのヒントと、上司・リーダーとしての関わり方を変えるきっかけともなるコツをお伝えします。
なぜ「わからないことがあったら聞いてね」では伝わらないのか
上司としては、「困ったら早く相談してほしい」「手戻りになる前に声をかけてほしい」という、善意と期待を込めて声をかけているはずです。
ところが現場でよく起きているのは、
・わからないのに、自分なりに解釈して進めてしまう
・途中で止まっているのに、誰にも言わない
・最後の最後で大きなズレが発覚する
という状況です。
このギャップは、部下のやる気の問題ではなく、「わからないことがあったら聞いてね」という言葉が曖昧すぎる ことから生まれています。
・いつ聞けばいいのか・・
・どのくらい悩んだら聞いていいのか・・
・忙しそうなときでも声をかけていいのか・・
こうした点がはっきりしていないと、部下は「聞きたいのに、聞けない」状態になってしまうのです。
部下が「聞きたいのに聞けない」主な理由
実際に、「どうして聞いてくれなかったの?」と聞いてみると、こんな声が返ってきます。
・何がわからないのか、自分でも整理できていなかった
・わからないところはあったが、せっかく説明してもらったのに、また聞くのは申し訳ないと思った
・上司が忙しそうで、声をかけるタイミングがわからなかった
・どこまで自分で考えてから聞くべきか、基準がわからなかった
・以前「そんなこともわからないの?」と言われた経験があり、また言われるのが怖かった
上司の側には「早く言ってくれればいいのに」という気持ちがあり、 部下の側には「本当は聞きたいけれど、言い出しづらい」という気持ちがある。
つまりそこには、コミュニケーションの"すれ違い"と心理的ハードルが存在しています。
曖昧な声かけを「具体的な行動」に変える
このすれ違いを解消するために必要なのは、「わからないときは聞いてね」という曖昧なメッセージを、行動に落とし込むことです。
例えば、
・「困ったら頼ってね」
・「何かあれば相談して」
といった言葉は、一見やさしく聞こえますが、 部下にとっては「いつ・どのように」動けばいいのかがわからない指示になりがちです。
そこで、次のような具体的な基準をチームで共有しておくと、部下の行動が変わり始めます。
実際に効果があった「3つのルール」
あるチームで導入したのが、次の3つのシンプルなルールです。
1. 「1時間以上、手が止まったら必ず相談」
自分なりに考えてみるのはOK。 ただし、1時間以上進まないと感じたら、その時点で必ず声をかける。
これにより、 「もっと自分で考えなければ」と抱え込みすぎてしまうことを防げます。
2. 「3時間後を目安に、一度進捗を共有」
仕事をお願いしてから3時間後を目安に、一度現状を報告してもらう。
これにより、 上司は「どこでつまずいているか」を早い段階で把握でき、 部下も「途中で見てもらえる安心感」を持って仕事に取り組めます。
3. 「上司が忙しそうなときは、"時間を聞く"ところまでを仕事とする」
相談したいタイミングで上司が忙しそうに見えるときは、「いつなら相談のお時間をいただけますか?」と聞くところまでを仕事とする。
「忙しそうだから、今じゃない」とタイミングを逃したまま 1日が終わってしまうことを防ぐためのルールです。
ルールを決めたことで、職場はどう変わったか
この3つのルールを取り入れた結果、次のような変化が見られました。
・相談のタイミングが早まり、手戻りが減った
・部下が「こんなこと聞いていいのかな...」と迷う時間が減り、声をかけやすくなった
・上司としても、部下がどこでつまずきやすいかが見えやすくなった
・結果として、チーム全体の仕事が前倒し気味に進むようになった
必要だったのは、 部下を責めることではなく、"相談しやすい関わり方"をデザインすることだったのです。
その「関わり方」を支えるのがコーチング
部下が自ら考え、適切なタイミングで相談してくれるようになるには、 上司・リーダー側に次のようなスキルが求められます。
・部下の状況を整理する「質問力」
・本音を引き出す「聴き方」
・行動を後押しする「フィードバックの仕方」
・安心して相談できる関係をつくる「関わり方のデザイン」
これらは、まさにコーチングの領域です。
コーチングを学ぶことで、
・「怒られないように」ではなく「より良くしたいから」
・「言われたことだけこなす」ではなく「自分から提案する」
という部下の変化を引き出せるようになります。
職場の「聞けない空気」を変える第一歩に
ここまで読んでくださったあなたは、きっとこう感じているかもしれません。
「なるほど、関わり方が大事なのはわかったけれど、 実際にどんな質問をすればいいのか、イメージしづらい...」
銀座コーチングスクールでは、 そんな方のためにコーチング無料体験講座を開催しています。
・部下が「わからない」と言い出せない雰囲気を変えたい
・叱る・指示する以外の関わり方を身につけたい
・1on1を形だけで終わらせず、部下の成長につなげたい
・現場の自走力を高め、マネジャー自身の負担も軽くしたい
一つでも当てはまる方は、職場のコミュニケーションを変えるきっかけとして、ぜひ一度ご参加ください。