私、もう、会社に来ません!
「私、もう、会社に来ません!」
過去に、部下に言われた言葉です。
この言葉を聞いた時期、既に銀座コーチングスクールの認定を取得していたので、
「よし、コーチングで対応してみよう!」と落ち着いて対処することができました。
コーチングを学ぶ前の私なら、「社会人として、、」とか「仕事に責任を持て!」
と言っていたかもしれませんし、
その対応は上司としては間違っていなかったように思うのですが、
実際のところ部下の話をしっかり聴くことで、その日を境に部下がガラリと変化したのです。
「何があったの?」
が私の第一声でした。
泣きじゃくる彼女は「やりたいことができない」「そもそもこの組織の運営は間違ってる」
「こんなんじゃ楽しく仕事ができない!!!」と他責のオンパレード。
コーチとして、リーダーとして、
そのときに出てきた質問は、彼女のヤリタイに共感し、
何を「できない」と思い込んでいるのかを確認してみることでした。
・何を「やりたい」と思っていたの?
・どんな風に「やりたい」と思っているの?
・どうして「できない」と感じたの?
興奮している彼女からは、社内でやりたいこともあるけど、
会社を辞めてからもやりことがたくさんあるようで、
しばし彼女が描いている理想の未来を語って頂きました。
ひとしきり話した後に、「ヤリタイことが●●なら、この方法は試したのかな?」
「この人に聞いてみた?」の問いかけに、しばし沈黙があり、
『そんな方法があったのか・・』
思い込みが激しく、自分の思い通りにならない部下にただただ「それは思い込みだ!」
「社会人なんだから、わがまま言うな!」だと逆効果です。
私のことを理解してくれないという気持ちから、
部下が自分自身で自分の状況を客観視することができません。
客観視できぬまま、上司として正しいことを伝えても
その場限りの返答になってしまいます。
だからこそ、まずは相手の話を聴く姿勢が求められるわけです。
このやりとりをきっかけに、部下に対して毎週15分ミーティングを行うことにしました。
10年前は1on1という言葉はなかったと思うので、
今でいう1on1ミーティングを実施することにしたんです。
そもそも制度ではなく個人裁量で始めたので、15分ミーティングのテーマはこんな感じでした。
・最近、気になっていることは?
・仕事上、困っていることはない?
・メンバー間で連携取れてる?
・こんなことできたらいいなと思うことは?
このミーティングを始めてから、滞っている仕事がわかったり、
メンバー間で連携がとれていな事実を知ることができたり、
お休みを取りづらいと感じていたことも知ることができました。
「1on1ミーティングを実施してわかったこと」
このミーティングを導入して、私自身がマネジメントしやすくなっただけでなく、
メンバーが私が何を求めていて、どんな状態かをわかることもできた時間になったということです。
伝えたつもり、言ったつもりでも、その情報に対して温度感が違うと
上司から求められたパフォーマンスにも影響してきます。
『あなたが部下に求めていることを、どのように伝えていますか?』
『部下は何を求めていると思いますか?』