「報連相」を定着させたい
任せた仕事、今日はここまでやると決めたこと、部下に任せるものの進捗が気になる時がありませんか。
気になったまま、「部下の自立を育てるんだ!」「部下を信じるんだ!」と呪文のように自分に言い聞かせても、
自分が望んだタイミングで報告がないと結果的に部下を攻撃するような関わり方になってしまって、
信頼関係が悪くなったり、仕事の成果にも影響が出てしまう。
部下の自主性を重んじながら、不安を感じ続けてしまわないために管理職が行うことは、
報連相のルールを定着させるということです。一番やってはいけないのは、「言わなくてもわかるだろ」
「このくらい当然」という考え方です。とくに新入社員や中途社員、異動してきた社員に向けて
もそうですが、その社員はあなたが大切にしているルールが身についていません。
私が実際に経験したことなのですが、Aという上司はメールのCCに自分を入れるのをとても
嫌がっていました。自分が関わっているものだけCCに追加するように言ってきたのです。
そして、
私はそのルールで、Bという上司に同じことをしたら、Bは全部を把握したい上司だったので、
私のすべてのメールに自分を追加するように言ってきたのでした。
これは、上司と部下のルールというよりは、A上司、B上司のそれぞれのルールと言えるのです。
正直、B上司からメールの件で怒られたときに、「私は正しいことをやっている」と思って反抗したい気持ちになっていましたが、
言い方を変えると『私はA上司から学んだルールをちゃんと実践している』だったんですね。
これをお互い理解しないと、やった、やらない、何が正しくて、何が間違っているのかわからないまま、
信頼関係も崩れ仕事のパフォーマンスにも影響してきます。
また、こんなケースもあります。
部下が相談してきたタイミングがあまりにも悪く、相談してきたときに部下の話を聴こうとする姿勢も見せず、
「今、話聞ける状況じゃないの、わかるだろ」という反応は部下を混乱させるだけです。
ダメなことばかり言われても、どうしたらいいのか見当がつかないから、タイミングを間違ってしまうのです。
お互いの信頼関係を築くためにもあなたのルールを定着させるような関わり方を目指しましょう。
ただし、ルールを定着させるからといって、口頭や書面でルールを伝えたりするだけでは「伝わった」とは言えません。
ルールが定着するように部下のタイプに合わせて支援するのが、管理職に求められている役割なのです。