コーチングセッションの全体構造を理解しよう

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コーチングとは対象者の行動を促し、目標を達成するためのコミュニケーションスキルです。個々の言葉遣い以外に、コーチング・セッションの全体をどのように組み立てていくかによって、それができるかできないかが左右されます。

コーチングセッションの全体構造を理解しよう

対象者のパフォーマンスの向上を目的とするコーチングは、コーチとその対象者(クライアント)との「セッション」と呼ばれる一連の対話によって成り立っています。「セッション」の構造を理解して、それを意識して対話を組み立ててみましょう。


「聴く」と「質問する」の基本スキルから構成されるコーチングではありますが、漫然とそれらを行なっても単なる雑談に毛の生えた程度のことにしかなりません。


コーチングとは対象者の行動を促し、目標を達成するためのコミュニケーションスキルです。個々の言葉遣い以外に、コーチング・セッションの全体をどのように組み立てていくかによって、それができるかできないかが左右されます。


コーチング・セッションは、まずは課題を抽出し、次にどうしたいのか、どうなりたいのかというゴールのイメージを描かせます。そして、どうすればそれが可能か、どのような選択肢があるかを挙げさせた上で、どれが適切かを選んで、次のセッションまでにどのような行動をするかを決意させます。


最初の2つのステップについては、表裏一体の関係にあることが多く、状況に応じて順番が入れ替わる場合もあります。以下、ステップごとに解説していきます。


1.課題の抽出

コーチング・セッションを始めるにあたっては、クライアントがその時点で最も問題だと感じている事柄を取り上げるのが比較的とっつきやすいでしょう。


このステップでは、何が本当の課題なのかを突き止めることに主眼を置いて、「聴く」と「質問する」のスキルを使いこなし、クライアントの頭や心の中にあるものを引き出していくことが重要です。


質問の例としては、「今の仕事で最も問題だと感じていることは何ですか?」や「現在抱えている最大の課題は何ですか?」と直截に切り出したり、「最近、調子はどう?」といった具合に尋ねることもできます。


2.ゴールの設定

このステップでは、クライアントがどのような状況を望むのかを明らかにします。特に、明確なイメージを描かせることが大切です。「どうなれば問題が解決したことになりますか?」といった質問は必須でしょう。


この場合も、「具体的にはどのようなことになりますか?」といった質問を重ねていき、クライアントの描くイメージの明確化を助けていきます。ゴール設定の際は、その大きさや難易度についても留意する必要があります。


大きなゴールを踏まえた上で、セッションごとに小さなゴールを設定させることが有効です。小さなゴールを着実に達成するのをサポートすることが本人のやる気と自信を高めていきます。


3.プロセスの設定


現状の課題とゴールが明確になれば、次はゴールに到達するためのプロセスを考えることになります。1回のセッションでは小さなゴールに到達する方法を考えさせることになります。


「そうなるためには、まず何をすることができますか?」「それを達成するにはどのような方法がありますか?」といった質問を使うことができます。ここでのポイントは選択肢を挙げさせることです。つまり、一つの方法ではなく複数の方法を考えさせます。


「他の方法では何が考えられますか?」という質問で、クライアントに考えることを促します。そして、各々の選択肢を実行した場合、何が起こるか、どのような結果になりそうかを考えさせます。「それを行うと、どうなると思いますか?」「どれが最も効果があると思いますか?」といった質問で吟味させていきます。


ここで「気づき」が起こるケースも多いのです。


4.行動への押し出し

何をすべきかが決まれば、いよいよ具体的な行動を起こすことになります。「では、いつそれをやりますか?」と質問し、クライアントが主体的に行動を決めるようにします。このステップで留意しなければならないのは、クライアントを励まし勇気づけることです。


もしクライアントが迷っているようでしたら、「○○日までにやるのですね?」と決断を促す必要があります。


以上がコーチング・セッションの全体構造のあらましで、基本です。現実のセッションはもっと色々なバリエーションがあって、必ずしもこのような型にはめなくてはならないというわけではありません。


したがって、1回のセッションで上記のステップを全てカバーできなくても良いのです。真に主体的な行動を促さなくてはコーチングの意味がないので、無理にカバーしようとすることはコーチングに対する幻滅を招いて、かえって有害なのです。


セッションは、クライアントが答えを必ず持っていると信じて行なうのが基本です。あなたの部下を信じ、上記のステップを踏んでセッションを行なってみて下さい。

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