コーチングの基本スキル−聴く

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コーチングと言えば、その最も重要で基本となるスキルとして「聴く」を思い浮かべる人が多いでしょう。日常生活において、「聴く」ことは、健常者であれば特段の努力をせずに行なっていることです。しかし、上手に「話す」のが難しいのと同様、しっかりと「聴く」ことも、決して容易ではないのです。

コーチングの基本スキル-聴く

コーチングで最も重要で基本となるスキルが「聴く」です。「聴く」ことにより部下の中にあるものを十分に引き出すことができれば、能力開発や成長に非常に役立ちます。逆に、「聴く」ことをおろそかにすると、部下は育たなくなるのです。


コーチングと言えば、その最も重要で基本となるスキルとして「聴く」を思い浮かべる人が多いでしょう。日常生活において、「聴く」ことは、健常者であれば特段の努力をせずに行なっていることです。しかし、上手に「話す」のが難しいのと同様、しっかりと「聴く」ことも、決して容易ではないのです。


コーチングでは、相手の中にあるものをいかに引き出すかが肝要です。相手方としては、しっかりと聴いてもらえることで、さらに話そうという気持ちが生まれてきます。逆に、聴いてもらえないのなら、話す気持ちも失せます。話す気持ちが失われれば、当然、引き出せるはずのものも引き出せなくなってしまいます。コーチ側の「聴く」スキルのあり方が、相手方からどれだけ引き出せるかを大きく左右するのです。


仕事や日常生活において、「真剣に集中して聴いてもらえる」という経験は、意外と少ないのではないでしょうか。一方、そのように聴いてもらえることは、嬉しく、また快感すら伴うでしょう。また、自分の話をしっかりと聴いてくれる人に対しては、好感を抱き、心を開いて話をしようという気にもなってきます。


そのような「聴く」スキルは、ある程度、意識しないと身につかないものでもあります。なぜなら、日本語で「キク」といっても、「聞く」「訊く」「聴く」といった漢字があてられ、それぞれ意味合いが異なるからです。


「聞く」は、単純に音が耳に入るといった意味での「キク」となります。雑音や騒音が聞こえてくるような状態で、明らかにコーチングで言うところの「聴く」とは異なります。


「キク」には「訊く」という漢字があてられることもありますが、この場合は、「尋ねる」といった意味合いを持ちます。自分に必要な情報を得るために「訊く」のです。コーチングにおける「聴く」は、自分のためではなく、相手のために行なう(相手の中にあるものを引き出すために行なう)ので、これもまた異なります。


コーチングの「聴く」は、字の中に含まれているように、「心」から集中して聴くことです。相手の話の内容に心からの関心・興味を示し、意味を深く理解しながら行なうような「聴く」なのです。相手の気持ちになりきり、相手と同じベンチに座り、同じ景色を観ているような感覚が持てるようであれば、それはしっかりと「聴く」ことができていると言えるでしょう。


それができるためには、相手の言葉を先入観で理解したり、自分勝手な解釈をしないように心がけることが必要です。心をニュートラルな状態にしておくことです。相手の言うことを評価したり批判したりする気持ちを抱いていると、しっかりと「聴く」ことができなくなります。


また、相手の言葉以外のものも聴き取る努力も必要です。相手がどのような感情を持っているのか、本心で話しているのか、心をニュートラルな状態にして聴けば、言葉の裏にあるものをも聴き取ることができるのです。


「聴く」ことそのものは、特に聴き手のアクションを伴うものではないのですが、いくつかの点に注意しながら「聴く」ことにより、相手に「しっかりと聴いている」というメッセージを伝えることはできます。


例えば、相づちを打つことは、聴いていることの意思表示となります。試しに、相づちを打たない相手と話をしてみるとよいでしょう。非常に話づらいし、相手がちゃんと聴いているのかどうか、不安になります。また、相手の言葉を繰り返して言ってみるのも、言ったことが伝わっていることを示すサインとなるので効果的です。


「それで?」「それから?」といった接続詞を使うのも、確かに聴いていることを伝えることとなります。コーチングで「聴く」目的は、相手の中にあるものを引き出すことであることを思い起こして下さい。相手にどんどん話させることができれば、コーチングが機能していると考えてよいでしょう。


時には「沈黙する」ことも有効です。例えば部下に何か質問を投げかけたら、答えが返ってくるまで「沈黙」します。すなわち、しっかりと「聴く」意思を示すのです。時々、部下から答えが出る前に、待ちきれない上司が答えを言ってしまうことがありますが、コーチングとしては非常にマズいことです。これでは部下の可能性の芽を摘み取ることになりますし、黙っていれば上司が自分で答えてくれるなら、部下は自分で考えようとする意欲をなくしてしまいます。


上司としてのあなたは、部下の言葉にしっかりと耳を傾けて「聴く」ことをしているでしょうか。「聴く」ことをそこそこに、上司としての意見ばかりぶつけていては、部下は育ちませんし、自発性ややる気をも奪ってしまうことになるのです。

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